わたしはなんでしょう 〜擬人法にふれる 1年〜
川 那 部 隆 徳

 子どもたちはなぞなぞが大好きだ。普段見慣れた身の回りにある様々な物でもそれをなぞなぞの題材とすることによって、事物を様々な角度から見つめることができる。

1.教師が出すなぞなぞに答えて、なぞなぞに興味をもつ。

2.3つのヒントをそれぞれ短冊に書き、出す順番を考えて、なぞなぞづくりをする。
(児童作品)

 ○いきものをとりやすいように、いけにいます。
  においがわかりやすいように、口の上にはながあります。
  大きな口でたべられたらたいへんです。
  わたしはなんでしょう。

 ○いちばんてっぺんにきれいなぼうしがあります。
  かざりがいっぱいついてて、なかにはサンタクロースとトナカイがついているものもあります。
  きらきらひかってでんきがいっぱいついています。
  わたしはなんでしょう。


3.教科書の例(光村1年上)を示して、その表現の良さについて話し合い、なぞなぞ作りに生かす。
T 上手になぞなぞを作っていると思うところはどこですか。
C 「きのようふくをきています」というところで、「きでできています」というよりもいいと思う。 C 鉛筆が人みたい。
C 「じをかくのが大すきです」というところも、「字が書けます」だったら、そのままだけど、言い方を工夫していると思う。
C 最初が「わたしは」だからかな。
T なるほど「わたしは」が最初にくると、後が人がしていることみたいな感じになるということだね。じゃ書き出しを「わたしは」からにしてなぞなぞを作ってみましょう。
(児童作品)

 ○わたしがいないとべんきょうやえがかけません。
  わたしがいないとおりょうりができません。
  わたしはいえのなかでいつもごはんをたべるとき、人につかわれます。
  わたしはなんでしょう。


4.つくった作品でなぞなぞ大会をする。

 1年生に擬人法をつかって文章を書かせることは難しいが、「わたしは」を主語にしたなぞなぞづくりを通して、擬人化した表現のおもしろさににふれることができた。
(滋賀大学教育学部附属小)