討論会(ディベート)のステップ
伊 庭 郁 夫

 担任している5年生で討論会に取り組んだ。
 主な指導の流れは次の通りである。

1 教科書を読み、討論会の方法を理解したり、小学生がディベートをしているビデオを見てイメージを持つ。
2 即席ディベートをする。論題は、「テレビゲームはよい。賛成か反対か」
3 各班対抗のディベートをする。論題は「朝食は、パンよりご飯がよい。賛成か反対か」

 討論会の最初の段階として、まず即席ディベートをする。次に、班対抗ディベートである。4試合行う中で、少しずつステップアップすることにした。
 第1段階 教師が司会をし、フロアーの子どもは、判定カードで審判をする段階。 
 第2段階 教師が司会をし、フロアーの子どもは、ディベートフローシートを利用してメモをしたり判定したりする段階
 第3段階 子どもが司会や計時をし、フロアーの子どもがディベートフローシートにメモをしたり、判定したりする段階。

「判定カード」には、評価の観点を示す。
 (1) 「立論」理由をはっきりさせ、説得力があったか。
 (2) 「質問」質問は立論に対し、するどかったか。
 (3) 「答え」質問に対し、わかりやすく答えていたか。
 (4) 「最終弁論」質問や答えをふまえ、説得力があったか。
 (5) 「全体」態度やチームワークはよかったか。
 この5項目について、賛成側または反対側のよかった方に1点を与える。ただし、どちらも同じだと思うときは、両方に1点を加える。

 今回、子ども達の様子を見ていて感心したのは、メモの取り方である。ステップの第2段階で、ディベートフローシートを渡した。
 めあては、「メモの取りやすい速さで話す」というものである。そして、メモが取りにくい場合は、手を挙げるというルールにした。
 ディベーターは、相手チームと共に審判の方を見ながら話をすることになる。一斉に審判の手が挙がることがある。すると、話し手は話す速さを落としゆっくりと発言する。
 また、聞き手のディベートフローシートを見ていると、丁寧にメモが取れている子どもが多い。
 参観日を兼ねて、ディベートをした時間があった。保護者の方もメモの取り方に感心されている姿があった。
 また、審判には「特に感心した人」を発表させた。次にするときは、メモを分析する力をつけさせたい。
(安曇川町立安曇小)