お う ち の 人 に 伝 え よ う
北 島 雅 晴

 「学校での出来事をおうちの人によく話しますか。」
と、6年生の子に尋ねてみた。5〜6名の子以外は、あまり話さないという結果だった。4年生の子にも同じことを尋ねたが、3分の1程度。学年が上がるに連れて、学校での出来事を話す子が少なくなっていく。
 このような子どもの実態を考えて、「学校での学習の様子をおうちの人に伝えよう」という学習を 設定した。

《学習の進め方》
 (1) だれに何を伝えるかを決める。
 (2) ある場面を選び、自分の学習の様子がよく分かるように書く。(四百字程度の学習作文)
 (3) おうちの人に読んでもらい、コメントを書いてもらう。

 (1) では、相手をだれにするかがポイントとなる。例えば、お父さんとお母さんでは学校生活に関する情報に違いがあるので、当然書く内容も変わってくる。題材については、運動会や音楽会といった行事ではなく、日々の学習でのがんばりを書くこととした。

 (2) については、自分の学習の様子や学習中に何を考えたか等が相手に伝わるように書くことがポイントとなる。そのため、1つの学習場面を想起させるようにした。

 (3) では、保護者へ協力のお願いの手紙を添えた。コメントの書き方として次の3点をお願いした。
 ・子どもの気持ちに寄り添って書くこと。
 ・文章の書きぶりのよさをほめること。
 ・次回の学習作文で取り上げてほしい内容を書くこと。


「うちで、たまに歴史の話をしてくれるけど、今どんな学習をしているのかよく分かりました。織田信長と豊臣秀吉と徳川家康の違いが分かりやすく書けていました。歴史のことをノートにしっかりまとめているので、いい勉強になってます。これからも好きな勉強を見つけて自分で進めていってほしいです。お母さんも応援しています。」

 このようなコメントをすべてのおうちからいただいた。

「あまり学校のことを話さなくなったので、また、こういう学習の機会をもってほしいです。」

という言葉もいただいた。
 ある一場面をとらえて様子を詳しく書くのがねらいであるが、学習でのがんばりを自覚することにもつながる。子どもと保護者と先生をつなぐ学習としてもねうちがあると考えている。今後も1か月に1度ずつ、おうちの人に伝える学習作文をつづけていく予定である。
(草津市立草津第二小)