朝 の エ ク サ サ イ ズ
蜂 屋 正 雄

 先月の研究会で、YES・NOクイズについての話があった。私のクラスで今ひとつ盛り上がらない朝の会に取り入れてみた。ルールはいたって簡単である。

(1) その日の当番が、好きな言葉を決める(例、赤鉛筆、修学旅行、ハリーポッター、など)
(2) 教師がそれについての面白そうなヒントを出す。(「これがないと、先生はちょっと困りますね」など)
(3) 当番以外の者が、当番が決めた言葉を当てるために質問をする。(それは食べるものですか?みんなも持っていますか?など、「はい」「いいえ」で答えられる質問をする)
(4) 当番は「はい」「いいえ」で答える。どちらとも言えない質問は「いいえ」で答える。
(5) 最後に、それは「赤鉛筆ですか」、「はい」となればゲームは終わりである。

 はじめの数日間は教師が例を示し、当番をサポートしながら行った。6年生にはかなり簡単な課題ではあるが、朝のエクササイズとしては面白い。

 このゲームの趣旨は、質問をしていくことによって、条件を絞っていき、答えを論理的に推し量っていくことである。やはり、6年生でもはじめは「それは鉛筆ですか」「それは消しゴムですか」というようないきなり“狭い”質問をする子がいた。だが、「それはこの教室にありますか」「それは食べられるものですか」などと、“広い”質問、絞って行けそうな質問をした子どもに「お、いい質問が出てきましたね」「あ、これでだいぶん絞られてきたんじゃないですか」など、答えを知っている教師が実況中継すると盛り上がり、また、見当違いな質問が減り、前の人の質問を受けた形での質問ができるようになってきた。

 エクササイズの展開として、はじめは (2) の教師からのヒントも、実況中継もなしでやっても楽しんでできると思ったのだが、あまりにもたんたんと進み、また、同じ子ばかりが質問することになってしまったので、教師がしゃしゃり出ることになった。

 やってみて思ったことは、朝に行う脳の活性化を目的にはじめたこのエクササイズが、論理的にものごとを考えることが苦手な子には、なかなか効果的な「朝の学習」になったということである。
 このエクササイズをはじめてほぼ1か月、まだ見当はずれな質問をする子もいるが、だいぶ慣れて答えに到達できるパターンも決まってきてしまった。新鮮みもなくなってきたので、今後は、子どもが教師役をして学習活動を進めていくようなものにしていければと思う。
(草津市立笠縫東小)