本棚  論破できるか! 子どもの珍説・奇説
松森靖夫 編著 BK1
講談社BLUE BACKS 2002.2 820円
論破できるか! 子どもの珍説・奇説

「北極から南極につながる穴を掘って石を落とすと、地球を通り抜けて、どんどん下に落ちていくよ」
 たとえ穴が掘れたとしても、そうはならないはず……。でも、子どもが納得するように説明するのは難しい。 
「金魚は苦しくなると水面に上がってきて、口をパクパクさせて口でも息をするよ」
「そうだね」と言ってしまいそうだが、金魚は肺呼吸はできない。では、何をしているのだろう。

 子どもだけではなく、大人にしても、改めて問われないと、そうだと思いこんでいることがある。17の珍説・奇説が取り上げられ、科学的に、しかも子どもにもわかるように説明されている。
 非科学的であっても、子どもなりに論理一貫した考えや発想を、子どもたちの科学に対する芽生え(前科学)として位置づけようとする思潮がでてきているという。近年、子どもの理科嫌い・理科離れが危惧されている。こんな話を教室で紹介することによって、科学に興味関心を持つ子どもが増えるといいのだが。

 では、もう一つ。
「ママのおへそと僕のおへそは、へその緒でつながっていたんだよ」
 どう答えますか? (常諾真教)