インタビュー・スピーチ 〜つっこみ質問〜
海 東 貴 利

 朝の会に、1分間スピーチを取り入れている。聞き手の反応を見ながら、その時に応じて生み出される言葉こそが、本来のスピーチであるから、原稿は一度書いてもそれに頼らせないようにしたいと思う。
 1学期は、「1分間話すこと」を目標に、スピーチ原稿を書き、話す時間を計測したり、声を録音したりして練習をしてきた。

 2学期は、メモを見ながら話すことから始めようと思う。
 まず、友だちにインタビューし、聞き取ったことをもとに友だちをみんなに紹介する「他者紹介」に 取り組んでいる。インタビューでは、2つのことをねらいとした。
 1つ目は相手の答えを確認すること。たとえば、「好きな教科は何ですか」と質問し、相手が「国語です」と答えたとする。聞き手は「国語が好きなのですね」と確認し、相手が「そうです」と答えるというような形である。一度聞き取った答えを、もう一度声に出して確認することで、聞き間違いをなくすことのほか、次の質問内容を聞き手自身が考えることもできる。
 2つ目は、答えの中で分からなかったことには、さらに質問すること(「つっこみ質問」と呼んだ)。これまでの学習の中で質問したとき、知りたかったはずの内容の答えが相手から聞けなくてもそれ以上つっこんで質問することができずにおしまいになることがたびたび見られた。そこで、質問するときには、「知りたいなあ」と思っていることの答えが聞けるまで何度も質問する必要があることを確認した。

 友だちにインタビューする時間には、確認と「つっこみ質問」の練習をした。聞き取った答えからキーワードのみをメモし、どんどんつっこみ質問を繰り返した。

 A 「好きな食べ物は何ですか。」
 B 「ラーメンです。」
 A 「ラーメンなんですね。」
 B 「はい。そうです。」
 A 「ラーメンのどこが好きなのですか。」
 B 「スープが好きです。」
 A 「スープが好きなんですね。どんな味が好きなのですか。」
 B 「みそ味が好きです。」
 A 「みそ味が好きなんですね。」
 B 「しょうゆ味は食べたことがないんです。とんこつも。」

 インタビューを終えた後、メモをもとに、1分間以上で友だちをみんなに紹介するスピーチを始めている。よりつっこんだ質問が事前にできた子どものスピーチは、やはりインタビューした相手のようすがよく分かる。また、質問した子どもの「知りたいな」という気持ちが強く伝わってくる。
(安曇川町立青柳小)