全 校 一 斉 読 み 聞 か せ
伊 庭 郁 夫

 安曇小学校では「学力向上フロンティア事業」の指定を受け、算数科を中心に研究を進めている。そして、教材開発の一環として、朝学習にも目を向けている。

 本校の「朝学習」は、「計算」「漢字」「読書」を1週間ごとにローテーションする方法である。2学期からは、各学年にプリントを入れる棚を設置した。左右の棚には、20ずつ計40のプリントが入れられる。そのプリント入れに「計算」と「漢字」のプリントを印刷して入れておく。子ども達はそのプリント入れから問題を出して朝学習に使う。40の棚の中には解答用紙を入れる場合もある。

 また、2学期からは「読書」の週に「読み聞かせ」を実施することにした。火曜日と木曜日は、朝の打ち合わせがない。そこで、週1回木曜日に「全校読み聞かせ」をする。
 読む本の条件は2つである。
 ・絵本または紙芝居
 ・15分で読み切れるもの

 5年担任の私は、「ちいちゃんのかげおくり」を選んだ。理由は2つ。1つは、以前お聞きしたあまんきみこさんの朗読が心にしみこむようだったこと。もう1つは、今国語で「おはじきの木」(あまんきみこ作)を学習していることである。
 読み聞かせ後の感想では「今、学習しているおはじきの木と話の内容が似ている」「おはじきの木のかなことちいちゃんが似ていて、どちらもかわいそう」などがあった。また、昼休みには数人の子どもが駆けよってきた。
「先生、かげおくりができました」「私も、見えました」というのである。読み聞かせの反応に、担任自身が驚いた1日であった。

 他のクラスの反応も、各先生方に書いてもらった。
「静かに集中して聞いていた」というのが最も多かった。 「もっと読んで」「また、してほしい」「読み聞かせを楽しみに待っている子が意外と多い」など、子どもに好評のようである。

 読み聞かせの「ねらい」については、次のように考えている。
 ・「聞く態度」を養い、「聞く力」をつける。
 ・多様な本のジャンルに触れる。
 ・読書への動機づけとなる。
 読み終えた本は、学級文庫に入れておく。そのことで、子どもにとっても本の見直しができる。

 また、この取り組みを「安曇小学校のホームページ」の安曇っ子NOWや「学校便り」で紹介し、保護者に知らせていく。
 これからまた、今度読み聞かせをする本探しが始まる。
(安曇川町立安曇小)