情報を料理して作文を書こう
伊 庭 郁 夫

「家の人に学校の様子を作文で伝えよう」「その時、絵や写真などの情報を生かそう」という目標で授業を組んだ。5年生である。

 指導の流れは次の通りである。
1.めあてを確かめ、全体の学習の概要をつかむ。 (1時間)
2.教科書の教材などを読み、自分の作文に生かそうとする。 (2時間)
3.作文レシピを考えて情報収集を行い、作文に必要な情報を選択する。 (4時間)
4.情報を生かしながら作文を書く。 (3時間)
5.手紙を添えて作文を家の人に読んでもらったり、自己評価したりする。 (2時間)

 家の人に伝えたい題材としては、「委員会」「パソコン」「フローティングスクール」などである。次に、家の人で、読んでもらう人を考える。複数でも構わない。お父さん、お母さん、おじいさん、おばあさんが多いが、お兄さん、お姉さんに読んでもらおうとする子どももいる。
 その後、教科書の作文教材から、作文に生かせそうな観点を見つける。子どもの発言をもとに、情報についてまとめていく。
 ○情報を生かす
 ・写真、絵、図、地図、表など
 ・パンフレット、しおり
 ・目や耳で確かめる
 ・人に聞く(インタビュー、アンケート) 
 ・インターネットのホームページ
 ・図書館や図書室
 情報は、料理でいう「材料」にあたるので、多くのものを集めるよう計画させた。
「集めた材料を、切ったり貼ったりして、おいしく料理していこう。」
と指示し、情報を生かしながら作文を書いていく。

 書き上がった作文に手紙を添えて、家の人に読んでもらう。返事には、素直な感想や励まし、努力を認める言葉が多かった。
 子どもの自己評価には、次のようなものがあった。


 フローティングスクールのことは、話が長すぎてあまり聞いてもらえなかったけれど、作文にしたら読んでもらえたので作文にしてよかったと思いました。書くときは、資料を切ってはってもよいという新しい書き方だったのでおもしろかったです。

 お母さんに読んでもらって、よくわかったと言ってくれたのでうれしかったです。情報をたくさん集めるのはむずかしかったけど、わかってもらったから苦労したかいがあったなと思った。


 家の人の感想も励みになった。 「フローティングスクールの様子が絵や写真を使ってわかりやすく書けていました。お母さんも一緒に船に乗っているような感じがしました。」
(安曇川町立安曇小)