感 想 文 は 心 に 残 っ た 場 面 か ら
蜂 屋 正 雄

 6月に行った、「奈良への校外学習」と「焼き物作り」という、2つのイベントの感想文を通して、作文指導をした。
「校外学習の感想文を書いてきてください。」
 はじめて子どもたちに「感想文」なるものを書かせてみた。表現することが苦手な印象を受けた子どもたちであるが、あえて何も指導しないで書かせてみた。
 一番多かったのは、校外学習の当日にあったことを、朝から順番に思い出して書いていき、最後に「楽しかったです」「しんどかったです」、というパターンであった。
 そこで、以前、伊庭先生に出前でしていただいた作文の授業などを参考に、「焼き物作り」についての感想文の書き方を、時間を取って指導してみた。指導内容は大きく3つ、(1) 題の工夫、(2) 心に残った場面から書く、(3) 書き出しの工夫である。

(1) 題の工夫
 題はその作文の内容を示すものである。面白そうな、読みたくなるようなタイトルを付けたい。ここでは「カレー屋さんのメニュー」を例にして、子どもたちに説明した。「カレー」と書かれているより、「特選カレー」「海鮮カレー」「季節限定カレー」などと書いてある方が、読み手の興味もひけ、カレーの内容も分かり易い。
 子どもたちにも、ただ「野焼き」と書くよりも、「熱かった野焼き」や、「はじめての焼き物」など、様子や書き手の気持ちがわかるような題にするように伝えた。ここでこまっている子には、題は最後に付けてもいいことを告げ、指導を続けた。

(2) 心に残った場面を書く
 驚いたこと、感動したこと、はじめて知ったこと、楽しかったこと、面白かったことを中心に書く。一番心に残ったところだけを書いてもかまわないことを伝えた。これは子どもたちにとっては新鮮な方法だったようで、分量的にも、思ったよりたくさん書けたという感想を持った。

(3) 書き出しの工夫
 一番心に残っている瞬間からはじめたり、会話文からはじめたりしてみるように指示した。突然クライマックスからはじめるのである。読み手にとっては、いきなり話が始まるので少しわかりにくい文章になったが、生き生きとした文書になったように思う。

 これだけの指導をしただけで、前回の感想文と比べてずいぶん読みごたえのある作文になった。読書感想文や意見作文など、折を見て指導を続けていきたい。
(草津市立笠縫東小)