話すこと・聞くことの子どもの意識と教師の意識
杉 澤 周 一

 今年度、校内研究は「聞くこと話すこと」に変わった。2年間の総合的な学習の時間の研究を続けたいという先生が多かったが、それを押して変わったのは、同じ多くの先生たちが目前の子どもたちの話すことの力を案じ、時を待てない思いがあったからだ。

 「話すこと・聞くこと」について子どもの実態を知っているようでも、それは感覚的ではないだろうか。「話すこと・聞くこと」の力が十分に身についているとは言えないが、その前に子どもの意識はどうだろう。まず客観的に子どもの意識を掴むことにした。

【5年の主な調査結果】   (○…とても好き・好きな方   △…いやな方・とてもいや)

1.授業や帰りの会など全体の場で一人で話すこと  ○…47%  △…53%

2.グループで一人で話すこと  ○…67%  △…33%

3.スピーチで話すこと  ○…55%  △…45%

4.授業や学級会、帰りの会などの全体の場で話し合うこと  ○…44%  △…56%

5.授業や学級会、帰りの会などでグループで話し合うこと  ○…75%  △…25%

6.授業等以外で友だちと話すこと  ○…97%  △…3%

7.話そうとしているか  いつも思う 29%  努力 53%  努力していない 18%
 <それぞれの多かった理由>
  ・すっきりする  ・楽しい  ・自分の考えが伝わった感じ  ・思ってくることが言えた
  ・はずかしい  ・きんちょうする  ・注目されるのがつらい

8.聞こうとしているか  いつも 24%  大体 64%  聞こうとしていないことがけっこうある 6%
  ほとんどない 6%

9.話してよかったと思うこと  いつも・思うことがある 82%  あまり・全く思わない 18%
 <多かった理由>
  ・自分の考えが伝わったから  ・思っていることがうまく話せたから

10.授業で先生の話を聞く  ○…51%  △…42%

11.授業で学級の仲間の話を聞く  ○…77%  △…23%

12.スピーチを聞く  ○…85%  △…15%
 <それぞれの多かった理由>
  ・楽しい  ・役に立つ  ・新しいことがわかる

 子どもたちは、教師が思っている以上に「話すことや聞くこと」が嫌いではなく、関心・意欲が低いわけではないようだ。教師と子どものズレがあってはいけないと思う。教師の指導力が問われているような気がした。
(能登川町立能登川西小)