絵 手 紙 風 壁 飾 り を 作 ろ う (5年)
岡 嶋 大 輔
本校では、校内研究とは別に、子どもの「食」と「健康」をテーマに学校生活を見直そうという取り組みを始めようとしている。とりわけ、野菜が苦手な子どもも少なくなく、今までも各学年の野菜作りがさかんに行われていたこともあって、「食」の中でも「野菜」に焦点をしぼっていこうという方向性も決まった。 そのことと関連させて、野菜や果物の絵を描き、さらにそこにその野菜や果物の詩を書くという絵手紙風の壁飾り作りに取り組んだ。 まずは、絵手紙が載っている本を見せながらいくつかの絵手紙を紹介し、だいたいどんなものを作るのかというイメージを持たせた。本に載っている作品は、どれも味のあるものばかりで、一つひとつ「おお」と感嘆の声がもれた。そして、表したい野菜や果物を探して持ってくるという課題を告げた。 先に、持ってきた野菜や果物の絵を描いた。その野菜や果物をじっくり見ることから始めた。形や質感、光り具合や色の微妙な違いに目を向けさせた。そうしている内に細かい部分まで観察することができ、その野菜や果物にどことなく愛着が沸いてくるようであった。 満足した絵が描けた後に、その野菜や果物についての詩をノートに書くようにした。詩を書くヒントは3つ提示した。 ![]() ・「○○のCM」 ・「○○の様子実況」 それ以外でもいいし、1つを選んでもいいし、それらを組み合わせてもいいことを話した。さらに書きやすくするために、子どもの持ってきていない果物で教師が先の3つのヒントに沿って詩の例示をした。 楽しい雰囲気も手伝って、書くのが苦手な子も、恥ずかしがり屋の子も、すんなり詩を書くことができた。 たびするにんじん わしゃ たびのにんじんじゃ 海を泳いで にんじん島に 行くところじゃ そこには なかまもいるし 早く行きたいもんじゃなあ これは、やんちゃ坊主で、なかなか学習に集中できず書くことをめんどくさがる男の子の詩。バックの色が薄い水色だったので、そのようなイメージが沸いたのであろう。「たび」「なかま」等、その子らしさも出ている。 野菜を見つめると同時に自分らしさを表現できた学習であった。 (甲賀町立佐山小)
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