次 の ス テ ッ プ へ ひびきあい学び合い 5年国語教室開き
杉 澤 周 一

 起立。だんだんと雑音が消え、やがて全ての音がなくなる瞬間が来る。みんながそれを感じ取った と察した当番が、授業を始める声を掛ける。こうして授業を大切にする姿勢から始めた4年生1年間の国語教室。本年度も続けて少人数加配として、5年生になった同じ子どもたちとその瞬間を待ち、静粛に国語教室が開いた。
 全員が、話すこと・聞くこと、書くこと、読むことに関する活動ができるようにした。

 先生から願いを込めた贈り物だと言って、まきたしんじの「教室はまちがうところだ」と東井義雄の「心にスイッチを」を読み聞かせた。視線がずっと私に集まり、静まりかえった。次に、その詩をプリントしたものを配り、各自、微音読をし、気に入ったところに線を引かせた。そして、ファイルの1枚目として大事に綴じた。

 この1年間みんなで大切にしたい学習のしかた『ひびきあい学び合い』の話をした。「教室は一人ではなくみんながいて、自分の思い・考えと同じようなものがあったり違うものがあったりして、自信をもったり自分の考えが変わったりする。一人の学習では、できなかった学習ができる。だから、みんなで自分の考えを出し合い、自分の考えを照らし、さらに広め深めよう。今日は、短い詩を読んで、ひびきあい学び合い。まず聴写から…」

   火を   武者小路実篤
  日常生活の内に
  火を。
  人間の心の内に
  火を。
  たえざる
  火を。     (あゆみ出版より)

 この詩に出てくる「火」は、5年になった自分にとってはどんな火かについて考え合った。ひびきあい学び合いにはルールがある。
 必ず、ノートに自分の考えを書く。それをみんなで発表し合う。今回は全員が発表した。発表の中から自分に必要なものを色ペンでメモをする。それを参考に考えを広め深めて自分の考えを書いてまとめる。実は、これは4年でやっていた。五年からは、次のステップに進もうと話した。出し合い、もらうだけではなく、出されたものについて、立場を決め、賛成したり反対したり疑問をぶつけたりして話し合って広め深め合おうと。

《子どものノートから》
 ・明るくて元気いっぱいの火
 ・心を明るくする火   ・希望の火
 ・あきらめない火 消えずに燃え続ける火 負けない、強い火
 ・がんばる火   ・情熱の火   ・勇気のある火
 ・はげみの火   ・可能性の火 可能性をおう火
 ・人を支える火  あたたかくやさしい火 心をあたためる火 …
(能登川町立能登川西小)