▼平成の教育改革のねらいの一つに意識改革があったとすれば、それはある意味で成果を上げている。学校が以前に比べ明るくなってきたし、閉鎖的なことが当たり前だった学級が開かれてきたことからも言える。ただ、それは「総合的な学習の時間」を含めて移行期の実績をうまく積み上げて、2002年の新教育課程全面実施のスタートをきった学校の話である。

▼発想を変えるということをもっと大胆に考えてみればどうだろうか。TTや少人数に対する加配という名で職員が配置される。従来の考えだと如何に教育効果を上げるかという面だけの視点で捉えていた。教育紙の記事によれば「3人増えたと思うのでなく、税金2千万円(3人分の給料の合算額)のプロジェクト」という考えで事業として取り組んだという報告があった。このように捉えると社会的責任を果たすことが求められ、1年の成果を出す必要がある。報告書も変わってくる。

▼プロジェクトと考えることに魅力を感じたのは、かつて学校を活性化しようとして職員に知恵を求めたところ、あまり反応がなかった。そこで、職員の中で一番若い教師を座長に「基礎学力を高める」ことを目的にプロジェクト的なものを立ち上げたことがあったという伏線がある。

▼創造は教育の原点である。硬直した機能の再生をぜひという思いは強い。(吉永幸司)