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よのなか教科書「国語」心に届く日本語 冒頭に本書の特色が述べられている。 「よのなか」で最も必要とされる国語力は、自分の意見を表現する力、いわゆる「コミュニケ−ションするチカラ」である。しかし、それが急速に退化している。その原因として、 (1) 社会そのものが便利になり、コミュニケーションする必要がないこと、 (2) 時代が常に”正解”を要求していたこと、 (3) 日本の「国語の教科書」は、戦後一貫して「道徳の教科書」だったこと、 の3つが挙げられる。 そこで本書は、コミュニケーション技術を身につけるための「国語の教科書」として編纂されている。 第1章では、自分の気持ちを他人に伝える、あるいは他人の気持ちを深く読み解くのに役立つ表現技術を学ぶ。 第2章では、編集的な思考法を学ぶ。 この2章9講座で、コミュニケーション技術を身につけられるようなっている。授業記録やワークシートも掲載されているので、学校でも使える。 また、橋本治による、第3章の古典講座は、学校で習った古典読解と違っておもしろく読める。 ぜひご一読を。(常諾真教) |