![]() ▼ものを作り、ものを売って高度成長の真只中だったかもしれないが、印刷機が発達しコピーができるようになった時、学校の姿も変わっていた。例えば、文集作り。ガリ版で日記を写していた頃には、日記を通して子どもとの対話があった。コピーになってからは、一字一字に心を注ぐということが以前ほど熱く感じることがなくなった。「こんなに便利になっていいのかな。教育は、もっと手づくりでいいのに」と言っている先輩を、機器についていけない人のひがみと聞いていたが、案外真実だったのかもしれない 。 ▼話し言葉の教育がかなり開発され、成果をあげてきた。しかし、技術の発達に比べて、内容の乏しさが気になる。 ▼手軽さというものの価値の中には少し入りにくいが、やっぱり考えを練ったり鍛えたりするのは、書くこと。「これからは、書くこと」と密かに考えている。(吉永幸司) |