詩 を 書 こ う
岡 嶋 大 輔

 2年生の学級。
 学級の取り組みとして、日記を毎日書いている。その日のできごとを振り返り、その中で心に残ったことを順序よく書いていくのがめあてである。一つのできごとを詳しく生き生きと説明しているもの、自分の心の動きをたくさんの表現で書いているもの等を教師がピックアップして紹介もし、より分かりやすく楽しい文章が書けるようになってきた。

 そのような日記的な文章を書くことから少しだけ趣を変え、詩を書く取り組みをした。詩は日記とは少し違い、あるテーマから感じたことや思ったこと、考えたことを言葉に表すのである。

 まず、教師がいくつかの詩を紹介した後、教室に詩集コーナーを作った。児童は、目に付いた詩集を借りてどんどん詩を読んだ。1週間程度、詩を読む期間を設けた。児童は始めから喜々として詩を読んでいった。友達や教師に「これおもろいな」「これ好き」と自然な形で詩を教え合い、詩の世界に入っていった。

 それから、お気に入りの詩を1つ丁寧に視写した。一人ずつ簡単に理由を付け加えて学級のみんなに紹介するようにした。そして、頭に浮かんだ絵も添え、掲示した。
 その後、詩を書く説明をした。見つけたこと、不思議に思ったこと、季節を感じたこと等と、ヒントとなるキーワードを並べて説明し、心の中身を言葉にすることを伝えた。

 そして、詩を書く時間をとった。すると、案外早く第一作目が出てきた。
「Aさんの詩は、なんでかなと思ったことを集めて書いたのがとてもおもしろくていいですね。」
作品ができて持ってきた児童の詩を教師が一言付けて紹介していった。書き方が分からない児童にはヒントになり、その他の児童にとっても詩を書く感じをつかんでいく道標となったようである。

 初めて詩を書く時間は、そう長くはとらなかった。教室の中だけでは題材がごく限られたものになるからである。詩を書く感じがつかめたら、詩を書くという視点で物事を見て過ごし、書く材料を集めることが必要になってくる。そのようにしてから3時間ほど詩を書く時間をとった。


 …
 たんぽぽがうらやましい。
 なぜかというと
 朝になると
 お日さまの光をあびて
 すごくきもちよさそうだから
 … 


 これら全ての詩を文集に綴じた。詩を書くことが楽しくて国語が大好きになったという児童がいた。また、日常の中で見過ごしていることを気に留めて言葉として残すことができたことは成果であり宝物である。
(甲賀町立佐山小)