作文をローマ字入力で清書しよう
伊 庭 郁 夫

 「書く」ことの4年生最後の授業。心に残ったことを生き生きと書く学習である。
 最初に、子どもたちに投げかけたことばがある。
「この作文を、パソコンでローマ字打ちして仕上げようと思うんだけど、どうかな。」
 すかさず、Y児が答えた。
「やってみたい。」
 他の子ども達も異論はなさそうである。「総合的な学習の時間」には、パソコンに年間30時間くらいかけてきた。何とかやり遂げたい。

 指導の流れは次の通りである。
 1.学習のねらいを確かめ、教材文の概略をつかむ。
 2.作文の題材を探す。
 3.2学期に書いた作文を振り返る。
 4.教材文を読んで、作文のよさを探す。
 5.教材文をもとに組立表を作り、段落構成をつかむ。
 6.自分の書きたいことを決め、組立表を作る。
 7.組立表をもとに、作文の下書きをする。
 8.パソコンを使って清書する。
 9.できた文集を読み合い、感想を交流する。

 教材文は、「さようならの時間」というおじいちゃんとの別れを扱ったものである。書くことの苦手なA児は、昨年の夏におじいさんとの別れを経験している。A児は組立表作りに手間取りなかなか進まない。そこで、「作文の題材を探そう」に書いてあった(おじいちゃんがなくなった時に思ったことや考えたこと)のプリントを見せた。そして、しばらく横について対話しながら組立表作りを続けた。しばらくすると、A児の口から
「がんばります。」
の一言が発せられた。授業をしていて、「よし、いける」と手応えを感じた場面である。

 下書きを終えた段階で、読み直す観点を確認する。主なものを挙げる。
 ○自分から進んで作文を書こうとした。(態度)
 ○題名を工夫した。(書き方)
 ○書き出しを工夫した。(書き方)
 ○深く考えたことや心の動きを書いた。(書き方)
 ○段落の最初は1マス空けた。(原稿用紙の使い方)
 ○習った漢字をできるだけ使って書いた。(文字の書き方)

 自己評価し、担任が目を通した後、パソコンに向かう。パソコンを使うことで、ローマ字学習がいかされる。また、校正が容易である。更に、文集にするため袋とじに設定し、読みやすい字の大きさにするなどパソコンのよさを生かして印刷した。
(安曇川町立安曇小)