読 書 指 導 研 修 会 で 学 ぶ
森  邦 博

 『小六教育技術』(小学館)に吉永先生が「教室訪問」を連載されている。7、8月号では、岡崎市立根石小学校を訪問された記事が載っていた。
 根石小学校は週に4日、読み聞かせを全校あげて継続しておられる学校。本校も昨年度より前校長渡邉先生の提案で毎朝10分間の読書を始めて今年で2年目になる。そんなこともあって、このページに注目し、そして、是非お話をお聞きしたいと思った。そこで、根石小学校の先生を講師として招いて校内読書指導研修会を企画した。

 根石小学校より平野泉先生をお招きすることができた。
その研修会では、
 o 昭和53年から25年間の実践の継続があること。
 o 担任による子どもたちへの20分間の読み聞かせを、毎日全校で続けておられること。
に、まず驚きの声が挙がった。
 そして、次から次からと、読み聞かせの手だての紹介にまた目を見張る。
 o ぺープサート、人形、さし絵、パネルシアター
ここまでなら、まだついていける。が、さらに
 o エプロンや、スーツを加工しての自作の「〜シアター」
までは思いも寄らなかった。継続の中から生まれてきた根石の先生方の独自の工夫が貴重。
 読み聞かせは子どもの実態から20分が適当とのこと。これも長年の実践に裏打ちされていて説得力 がある。

 読み聞かせを味わったあとの時間の使い方もバラエティに富んで楽しい。
 o 感想交流(詳しく詮索することはないようだ)
 o 実際に確かめる(科学読み物の読み聞かせの後で)
 o 親からの手紙を読む(本の内容の即してあらかじめ親に子ども向けの手紙を書いていただいておくということ)
 o 続き話つくり
 o 作者への手紙(返事が来る、作者本人を招待することも)
そして
 o 絵で表す
 「わたしのワンピース」(にしまきかやこ絵・文 こぐま社刊)では、ウサギのワンピースの柄をそれぞれの子どもが思い思いに仕上げる。
 長い橋を渡るとその動物の胴体が伸びるという楽しい本「へんてこへんてこ」(長新太作 佼正出版社刊)では、自分の渡らせたい動物を絵に描いて話す。
と、明日にでも使ってみたくなるアイデア。

 聞くにつれて、一度学校を訪問したいとの思いが募る。これは本校の先生も同じ。講演の後早速、平野先生と相談するのは本校の研究主任の先生。実践の意欲がむくむくとわき起こっているようすであった。
(大津市立中央小)