意 見 文 を 書 こ う
西 村 嘉 人

 学習の導入で、いつもの学習計画表を子どもに配布する。学習のねらいと学習計画を書き入れたものである。子どもたちは、この学習計画表で、単元の学習のねらいを知る。
「意見文を原稿用紙3枚程度にまとめる」が子どもたちに示した学習のねらいである。
 次に学習計画を見る。
「12時間やて。今度は長いぞ。」
「間に1週間あけるって書いてるから、ものすごく長いぞ。」
 学習全体の流れを見通しながら、子どもたちがつぶやく。
 何度も繰り返し示してきた学習計画表であるので、表の見方は全員が理解できている。子どもたちがこうなっていると、随分学習が進めやすくなる。

 第一次は、教科書教材「二つの意見から」(光村6年上)を使って、意見文を書くまでの手順を学習する。二つの異なる意見を読んで、自分が支持する意見を決め、討論会を開く。教科書通りに子どもたちにも経験をさせる。その後、教材に掲載されている児童の意見文を読ませた。意見文の文章構成をノートにまとめさせ、このモデルを使って意見文を書くことを知らせた。

 第二次。「ことばの問題」についての資料を読んで、言葉の乱れを正した方がよいか、伝え合うことを重視して許容していく方がよいのか、二つの立場に分かれて、取材と意見交流会を行った。
 意見交流会では、同じ立場の者同士で1時間、違う立場の者も交えて1時間行った。
「言葉って昔からずっと同じやなくて変わってるんやから、今の言葉も変わる途中と思うといいと思う。」
「何でも短く言ってしまったら、本当の言葉が分からなくなってしまう。」
「キモいなんか、キモチイイとキモチワルイのどっちを略したのかはっきりしない。」
「キモい、でキモチイイと考える人はいないから、伝わってるということじゃない。」
6年生なりに知恵を出し合って意見を闘わせている。

 この意見交流を経て、意見文を書く活動に入った。教材文で学習した意見文を書く手順通りであるので、活動はスムーズに進む。2時間ほどで原稿用紙3枚の意見文を全員が書き上げた。

 この、スムーズさの背景には、毎時間の学習の終わりに自己評価を取り入れ、学習してきたことを確認してきた積み上げがある。子どもたちの自己評価を見てその場で、あるいは昼休みに口頭でコメントを返すことを続けてきた成果だと言える。自己評価で子どもの学びは変わる、と言えそうである。
(彦根市立城南小)