伝 わ ら な け れ ば 意 味 が な い
高 野 靖 人

 本校の5年生が、堅田小学校の5年生と、1学期に引き続いて「テレビ会議」を実施した。本校は、昨年度より3年間「次世代ITを活用した未来型授業開発研究」の文部科学省指定を受けている。昨年の2学期に機器整備が終わり、12月からはインターネットにも接続された。それ以降、各学年で様々にコンピュータを中心とした情報機器を活用した授業を試みてきた。

 指定2年目の今年は、IT担当の私が、3年生以上の全クラスに週1時間、情報TTとして入る形で、計画的な活用を進めている。
 5年生の「テレビ会議」も、そうした新しい試みの一つである。ちょうど夏休みに実施したフローティングスクール(学習船「湖の子」での宿泊体験活動)の同時乗船校が堅田小学校だったため、7月に「テレビ会議」を活用して、両校の同じ班の児童が、最初の対面をした。堅田小学校も指定校なので、同じテレビ会議システムがあり、端末番号をコールするだけで、接続することができる。大型プロジェクターに映し出された相手と対面しながら話す体験は、子どもたちの不安を払拭する効果があった。お互い簡単な自己紹介をしただけだったが、好印象の子どもが多かったと担任から聞いた。

 今回は、本校の5年生が2学期に取り組んだ、地域環境に関する総合的な学習のまとめを、顔なじみの堅田小学校の5年生に発信し、感想等を聞くと共に、堅田小学校の取り組んでいるボランティアに関する総合的な学習の成果を教えてもらうという計画である。
 本校5年生の総合的な学習は、学区内の川調査(水質・生物)と多数ある公園のごみ調査である。学級を解体した課題別グループで、何度も現地に足を運んで調査した結果をまとめる段階で、堅田小へ発信することは、活動を勢いづかせた。見やすい資料づくり(地図・絵・写真・表・グラフ・実物等)と共に、いかに分かりやすく話すかがポイントとなった。伝わらなければ意味がない。カメラを使ったリハーサルをしながら、カメラの向こう側を意識して、修正をしていった。リモコンを使ったカメラワークも、指導をして子どもに任せた。

 2クラスが1時間ずつの「テレビ会議」を実施した。回線の使用状況によって、音声がとぎれがちになる時間帯もあって残念だったのだが、自分の学校にいながら、他の学校の友達に学習成果を発表し、感想などが聞けた満足感を子どもたちは味わうことができたようだ。担任同士の事前準備や調整など、子どもの知らない大変な面もあるのだが、情報発信の一つとして、今後も活用を進めていきたい。
(大津市立仰木の里小)