▼新指導要録における評価のあり方として、目標の準拠による絶対評価への発想の転換が行われた。従来、評価は、指導の結果、評定の意味を持っていたが、指導と評価の一体化ということから考えても、評価も系統的、継続的、日常的の行い、学習の導入段階、学習指導過程段階、学習指導の終末段階というように、学習目標のまとまりごとに評価活動を行うことが求められているのである。

▼ところで、日々の授業を「評価」という視点で見ていくと、多くの教育活動にしみ込んでいる。例えば、「よくできましたね」とか「もう少しくわしく書きましょう」という言葉がそれである。おりおりの一言一言がどのように目標に準拠しているかという点検がなかったので、子どもにひびくことが少なかったのであろう。

▼「評価活動」はまた、「自己評価」の力を育てることがなければ、力として身についていないことも、日常よく経験することである。けなげにも子どもは「次はがんばろう」「うまくできなかった」というように自分をふりかえる。そのことが次の学習活動のエネルギーになるためには、どこを、どのように変えていくことが必要かを求める力が大切になってくる。

▼最近やたらと多い評価カード。それで、子どもの評価が全て覆るかどうかは疑問。教師の日常的な言葉と評価の側面を見直したいときである。(吉永幸司)