学 級 通 信 〜初心に返って〜
北 島 雅 晴

「1学期、クラスのみんなが日記と教室日記をがんばって書いたと思います。私は、友達の日記を読むのが好きなので、学校での一つの楽しみでした。みんな日記を書くのがとても上手なので、私はつくづくなんであんなにうまく書けるのだろうと思っていました。」
以上は、1学期の学級通信の前書きの一部である。

 毎日、日記を書くこと。教師は学級通信でみんなの日記を紹介すること。学級経営の一つとして、今までこのことをつづけてきた。1学期間に50数号発行するので学期ごとに製本する。今年は、5年生の担任なので、表紙と前書きを子どもに作らせた。

 毎年、よく似た形で学級通信を発行してきたが、担任をする限りやめることはできない。学級通信を作らないと自分が怠けているような気がするからである。現在の学級通信の構成は次のようになっている。
【教室日記】 学校生活の出来事を記録する。日直が書く。
【友達の作品】 家庭で毎日書く日記や作文、学習の記録などを教師の手書きでのせる。
【おうちの方へ】 学校での子どもの様子を知らせる。

 学級通信をしばらく読み合っていると、友達のよいところを取り入れて日記を書く子が出てくる。
「私も、Aさんと同じように○○のことで書きます。」
 今まで遊んだことを中心に書いていた子が、友達の題材を取り入れて日記を書くようになる。また、 気に入ったことばを使うこともある。「友達のよいところをまねするのも大切だ」と、書くことに関して普段から話している。

 学級通信を通して感想を交流していると、友達の書きぶりに学ぶことができる。
「B君は、虫のことで書くのが得意だ。」
「Cさんは、自分のまわりの様子を書くのが上手だ。」
といったように、一人ひとりのよいところに目を向けることができる。よいところを見つけてもらうと、その子の自信にもつながる。

 以上、ささやかな実践ではあるが、何のために学級通信が必要なのか、初心に返って考えることも大切だと感じる。書くことを通してお互いを知り認め合うという原点に返り、学級の財産として積み上げていきたい。
 2学期は、子どもが作る欄を増やすこと、保護者にも書いてもらうこと、たまに教師のエッセイをのせること等を考えている。
(草津市立草津第二小)