君 も ス ピ ー チ 名 人 に な ろ う
好 光 幹 雄

 スピーチの相互評価をさせてみると、「声が大きかった」「前を向いていた」「分かりやすかった」等、評価のレベルが低く、本来スピーチで何を評価するのかが理解できていない。
 これは子どもに責任があるのではなく、スピーチのさせっ放しで、スピーチをどのようにするのかといった具体的な指導がなされてきていないためである。
 そこで、より良いスピーチをするためにはどんなポイントに気をつけてすればよいのかを整理し、普段のスピーチで意識できるようにすると共に、自己評価や相互評価ができる力を養っていくことが必要である。
 しかし、机上でポイントを整理しただけではインパクトがなく、理解が深まらない。音声言語の特徴からポイントを具体的に動作化したり、声に出してみたりすることではじめて理解が深まる。
 このような考えから、スピーチについて自分たちが理解したことを異学年の子どもたち(4年生)に具体的にアドバイスできるようにレクチャービデオ作ろうという設定で単元を計画した。

単元目標
 ・より良いスピーチの仕方のポイントを理解することができる。
 ・スピーチの仕方を具体的に異学年に伝えることができる。
 ・スピーチについての自己評価力・相互評価力を養う。

単元計画 (全11時間)
 (1) 学習の見通しを持つ。
 (2) より良いスピーチにするためのポイントを整理する。(1時間)
 (3) グループでレクチャービデオ作り(アドバイス劇)をする。(5時間)
 (4) リハーサルを兼ねてビデオ作りの交流と相互評価をする。(2時間)
 (5) グループで再度ビデオ作りをする。(2時間)
 (6) 4年生に視聴してもらい感想を聞くと共に自己評価・相互評価をする。(1時間)

成 果
 ・スピーチのポイントを4年生に教えてあげようという場の設定で学習意欲が高まった。
 ・スピーチのポイントを改めて整理することができた。
 ・ビデオ作りを通して、動作化したり声に出すことによって、実際にスピーチのポイントを意識することができた。
 ・教師からの一方的な評価ではなく、自分たちでスピーチのあり方を評価できる基礎が養えた。(自己評価、相互評価の基礎、評価者の育成)
 ・国語の時間が厳選される中、スピーチの評価項目そのものを学習の内容として取り上げた点で、話題性を追う国語の授業から内容に目を向ける国語の授業へ視点を向けることができた。
(大津市立堅田小)