小学校の国語科授業では何を?
常 諾 真 教

 6月例会には、金杉昭一先生(東京国際大学)がおいでくださった。埼玉県の国語研究サークル「杉の会」と合同研究会をもってからもう9年になる。金杉先生は、中学校の国語教師をしておられたので、今回は、小中学校の関連についてのお話をお願いした。

 先生は「国語科は技能教科だ」と言われる。国語科は、実際に国語を使って、読んだり書いたりする力を育てるものである。戦前の「読み方・つづり方」の「方」は、技能であり方法である。
 現行の学習指導要領では、「聞くこと・話すこと・書くこと・読むこと」という言語活動に中心をおいた捉え方になっているが、言語活動と言語技能とは、一体のものなので、言語能力を育てることが重要である。
 小中学校の関連を求める視点としては、9年間で育てられる言語能力を考える。

 お話の中で「中学校国語科教師の立場から小学校教師に望む10箇条」を挙げられた。小学校の国語科授業で何をすべきなのかが、たいへん明確に示されているように思う。

(1) 「言葉って不思議なものだ、言葉っておもしろいものだ、言葉のことをもっと知りたい!」という子供を育ててほしい。

(2) 書かれている事実の指摘を求める発問ではなくて、どう書かれているからどう考えたかと言える子供を育ててほしい。

(3) 学習上の用語の意味を確かにして、言葉に関する正確な知識を持つ子供を育ててほしい。
 (例えば、要点・要旨・大意などの概念把握があいまいなままになっていないか)

(4) 3つの答え方ができる子供を育ててほしい。
 (まず、「ハイ」と返事ができているか)

(5) 事柄を解決するのに必要な話し合いに、積極的に責任感を持って参加できる子供を育ててほしい。

(6) 日記に書いたことが学習や生活指導に生かされて、日記を書くことが楽しみになる子供を育ててほしい。

(7) ノートの取り方や学習記録のあり方を身につけようとする子供を育ててほしい。
 (板書は一時間中消さない)

(8) 発表を求められたとき、それが、意見、感想、報告、伝達、指示などの何を求められているのか理解して、その伝え方ができる子供を育ててほしい。

(9) 音読や朗読の楽しさを多く体験している子供を育ててほしい。
 (群読、劇にする、脚色するなど)

(10) 国語の授業が大好きな子供を育ててほしい。
(守山市立河西小)