日 々 の 積 み 重 ね が 花 開 く
森 邦 博
新しく年度が変わり2か月目を迎えた5月のある日、三重県の学校から電話が入った。 「本校では基礎的基本的な学習を確実に身につけることが大切だと考え、読むこと、わけても「音読」をその基盤ととらえて校内研究を進めることにしました。インターネットで調べていたところ中央小学校は昨年度に研究実践の成果を上げておられることを知りました。ぜひ学校視察させていただきたい。」 早速、研究主任に相談したところ、 「4年と6年合同で国語の授業をする計画中で、そのときには、音読発表をし合って相互に評価し合う活動を予定している。それでよければ授業をお見せすることもできる。」 との返事。 訪問当日を迎えた。案内すると、4・6年生が向かい合って座り、挨拶をして始まった。 @ 6年生の司会者が音読発表のおおよそを紹介し、6年生が発表をする。 A 4年生の司会者が同様に自分たちの発表の紹介をし、発表をする。 B 6年の司会者が4年生に感想を聞く。(4年生は聞いての感想を発表する) C 4年生の司会者が同様に6年生に感想を求める。(6年生は発表する) D 参観者にも感想を求める。 感想を求められた三重県の先生方は、一生懸命子どもたちのがんばりぶりをほめられ、子どもたちは満足げであった。 先生方が関心をもたれた点は、 ○子どもたちがにこやかに楽しそうに発表し合っていること ○教室全体が温かい雰囲気に包まれて活動がすすんだこと ○指導者がよさを認め伸ばす目でアドバイスされていたこと であった。このご指摘は本校の研究実践の足取りが着実であったことの評価であると聞いた。 また、視察校の西川義則先生からは、 ○依頼して日数のないうちに、授業を公開できること ○子どもの姿で研究の成果を示せることこそ現場の研究だ との言葉も頂けた。 視察日の夜すぐに私宅にメールが入ったので、それを先生方にも披露し、子ども達にも伝えてもらうことにした。 今回の視察は実りの多いものだったとのお礼状を頂き恐縮しているのだが、わが校にとってもありがたいお土産をいただいた。 それは、子どもたちに少なからずの自信とやる気を持たせることができたからである。また、1年間の地道な実践の積み上げの大切さを改めて確認できたことである。 (大津市立中央小)
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