| 國分康隆監修 岡田弘編集 |
 |
| 図書文化 1996.11 2,233円 |
最近「エンカウンター」という言葉をよく耳にするようになった。人間関係をうまく作れない子どもが増えてきている中で、「いじめ・不登校を予防する」「学級のあたたかな人間関係をつくる」という効果が期待されている。
構成的グループ・エンカウンターには、エクササイズ（活動）とシェアリングという２つの要素がある。
エクササイズは、椅子取りゲームやじゃんけんなど、ふだん学級で行っているようなものである。単なるゲームとの違いは、リーダー（担任教師）の果たす役割と活動の後に行うシェアリングである。
シェアリングとは、エクササイズをやってみて気づいたことや感じたことを伝える、相手の話を聞いて感じたことを伝えるというふりかえりと自己開示のフィードバックである。エンカウンターでは、この自己開示（ホンネの自分を伝えること）が中核的機能をなしている。
本書には、エンカウンターの目的や効果、実施するための実践マニュアル、エクササイズ集などが収められている。
楽しく遊ぶだけの学級活動から、意図的な人間関係づくりの学級活動へ変えていけるのではないだろうか。（常諾真教）