<第12回新しい国語の授業研究会>
子ども科学番組 わくわくステーション 〜学んだことを分かりやすく伝えよう〜
好 光 幹 雄

 より楽しく力がつく説明文の学習にするために、説明文を子ども科学番組にして伝えるという手法を用いた。
◆この学習方法の利点は、
(1) 友達に学習したことを伝えるという明確な学習の目的意識と相手意識が持てる。
(2) 伝えるために説明文を熟読し、内容を正確に理解することが自ずと強いられる。
(3) 番組作りの中で、表現の形式(クイズ、寸劇等)や配役を工夫し、楽しく学習が進められる。
(4) ビデオで自分たちの番組を振り返り客観的な自己評価ができる。
(5) 総合的な学習や他教科の学習発表にも役立つ基礎・基本的な力を培うことができる。

◆単元構成は年間を通して次のように立てた。 (全42時間)
第1ステップ 「大陸は動く」  16時間 1学期
 説明文の学習の楽しさを知る。科学番組の作り方を体験する。
第2ステップ 「一秒が一年をこわす」  8時間 2学期
 説明文の構造を理解し筆者の意図を読みとる。
第3ステップ 子ども科学番組わくわくステーション  18時間 2・3学期
 教材を選択し、学んだことを分かりやすく伝える科学番組を作る。教材は数社の教科書説明文(4年から6年)、及び参考資料。全11教材、11グループ。

◆成果としては、
(1) 説明文の学習が楽しいという子どもが増えた。
(2) 言葉の意味を文脈の中で考えるようになってきた。国語辞典を積極的に活用するようになった。
(3) 人前やカメラの前で伝わる声で間を取り、はっきりと話すことができるようになってきた。
(4) アイコンタクトやカメラ目線を意識するようになってきた。
(5) 説明に必要な図、表、写真、キーワード等を選ぶことができるようになってきた。
(6) 図、表、写真、キーワード等に沿った説明ができるようになってきた。
(7) 話し言葉、和語を意識して伝えようとするようになってきた。漢語の難しいものは、番組の中で解説するようになってきた。
(8) ビデオを見て、自分たちの表現を客観的に評価することの大切さが分かってきた。
(9) 相手に伝えるということに対して、自信と意欲が高まってきた。

◆課題としては、
(1) 教材の精選と開発。
(2) 教師の個の学習への見取りと評価のレベルアップ。
(3) 学習時間と場の設定の効率化。(視聴覚機器の設備、備品の充実、フリースペースの活用)
(4) 伝え合う力を育てる学習への展開の仕方。
(大津市立堅田小)