わ た し の 読 み 方 を つ く る
西 村 嘉 人
「『わらぐつの中の神様』には、5年生のあなた達が自分の力で読んで見つけられる作品のよさがたくさん隠されています。一人学習で見つけた作品のよさを、みんなの学習で発表し合う学習を進めていきます。」 このように学習の導入で子どもたちに話をした。そして、 (1) 耳で作品を味わい、作品のよさを感じる。(1時間) (2) 自分で読んで作品のよさを見つける。 (1時間) (3) 一人学習で作品のよさを見つけ話し合う。(3時間) (4) 見つけた作品のよさについてまとめる。 (1時間) と学習予定を示した。 (1)と(2)の学習で子どもたちが見つけた作品のよさを、一人学習でさらに詳しく読んでいくように指示をした。
着席した子どもから学習を始める。黙読をしてから、「作品のよさ」をノートに書く子ども、読みながらノートにメモする子ども、文章に線を引いたりメモを書き込んだりしながら読んでいる子どもなど、はじめの25分はさまざまである。 次の15分間はひたすら子どもたちが話し続ける。 「物語の仕組み方について考えたんだけど、真ん中におばあちゃんの昔話を入れて、それが最後に今とつながっているようにしているし、はじめはわらぐつでつなげて、終わりは雪げたでつなげていて、とてもうまくつながっている。」 「きれいな表現を見つけたんだけど、『しんしん』とか『さらさら』とか細かに言葉を使っていて、周りの様子が聞こえるように書いている。」 と子どもたちの発言が出てくるたびに「関係したことで先に話したい人は手を挙げて」と発言を促す。 学習のまとめでは、話し合いを振り返って「わたしが言いたかったこと」や「なるほどと感じた発言」、「次の時間に注目したいこと」などをノートに書かせた。 同じ学習パターンを3時間続けたことで、すべての子どもが「構成」「主題」「表現」につながる一人学習を進めることができた。 読み方をつくる学習である。 (彦根市立城南小)
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