<第12回新しい国語の授業研究会>
新 し い 国 語 の 授 業 の ス タ ー ト
森  邦 博

 新学力観に立ち国語の授業を改善するため、本研究会を開催してはや今回で第12回目を数えた。新教育課程による授業を全面実施する4月はすぐ目の前。そこで、今回はテーマを「新しい国語の授業のスタート」と設定した。

 午前中は研究発表。発表は好光先生(堅田小)。
 年間を通じて「話す・聞くこと」の指導をどのように発展させていったかを、児童の制作物、ビデオ映像を使って立体的に発表。子どもたちは、自分の発表のビデオを見たり友達の発表を聞いたりしてどのような「話すこと・聞くこと」の力が付いたか・課題は何か、そしてその力や課題を、次の学習ではどのように伸ばそうとするのか・伸ばせたかを振り返り、自己評価して、次の「話す・聞く」活動で生かそうとする。そういう場をきちんと設定していこうとした実践である。
 「PLAN・DO・SEE」のサイクルを国語科の学習過程に具体化した。これからの教科の指導は基礎的基本的な内容の徹底と共に個性や良さの伸長が問われる。どのような学習成果があったのかを説明する責任に応える指導のヒントを提示していただいたものである。

 午後は、来年度県下で使用する4社の教科書それぞれを使う地区の先生からの新教科書の第1単元(第1時間目)をどのように構想するかを提案していただきパネルディスカッションをした。
 パネリストは海東・蜂屋・三上・西村の4人の先生。私は中嶋先生と2人で司会を務めた。
 「読んで読んで読む」そこから学びの楽しさや自信・意欲の育ちをみとりたい。年間の学習見通しを持ち「わくわく」する心が言葉を学ぶ意欲を引き出すスタートにしたい。具体的な観点での明確な評価を体験させ、学び手を育てる授業のスタートと考えたい。などの新しい提案が私の心を打った。

 新年度から完全週五日制が始まる中、「総合的な学習の時間」も本格的に実践することになる。かつて経験しなかった新しい学校像の出現である。が、ともすると目新しく華々しく耳当たりの良い派手な実践に目を奪われがちであるが、好光先生が「国語辞典」を当たり前に引くまで実践を継続されているような、地道な実践の積み上げが今改めて求められているとの吉永先生のご指摘は、私の耳に新鮮であった。
 吉永先生は、こうも語られた。
「この学校ではどんな子どもが育っていますか?」 と問いかけられて 「6年生ではこれこれができる子どもが育っています」 と応えられる実践の積み重ねの覚悟をこそ、新しいスタートを切る直前のいま肝に銘じなければならない。
(大津市立仰木の里東小)