<第12回新しい国語の授業研究会>
わ た し の 国 語 カ レ ン ダ ー
海 東 貴 利

 国語科の学習をする際に、大切にしたいことが2つある。
 1つは、学習に対する前向きな気持ちや意欲である。新学期、初めて教科書を手にしたとき、子どもたちは、「どんなお話が載っているんだろう」「これって、おもしろそうだなあ。早く読みたいな」「難しそうな文章だなあ」「漢字がいっぱいだな」など、国語の授業に対する期待や不安でいっぱいになっている。このときの子どもたちの気持ちは、1年間学習をするのにとても大切だと思う。

 もう1つは、学習を通して得られる達成感である。今年度の国語科授業スタート時の子どもたちの様子を振り返ってみた。新しく学級編制したばかりの緊張した雰囲気の中で取り組んだ詩の朗読では、個別読みや一斉読み、暗唱などに取り組み、みんなと声の調子を合わせたり、声に出して読んだりする心地よさを味わった。授業後は、みんなの前で大きな声で朗読できて安心しきった顔をする子どもや、まだまだ緊張が取れず声が小さくなってしまった子ども、そしてまだ教科書を眺めている子どもなど様々な様子が見られた。この子どもたちの「やった」「できた」という実感を大切にしたい。

 この2つのことを考え、新しい国語科授業のスタートでは、「これからどんな学習をするのか」という国語の学習に対する期待、そして「こんな国語の力がついてきたんだな」という達成感が持てるような自己評価の工夫が必要だと思う。

 学年初めの第1時では、『国語カレンダー(国語ごよみ)を作ろう』という単元で、1年間の国語科学習の見通しを持つ時間にしたい。これから1年間学習することを見通すことで、改めて国語科の学習に対する自分自身の目標も持てるだろうと思う。

 まず、1年間に学習する単元名や学習内容、つけたい力などをそれぞれ短冊に書いて、単元ごとに提示していく。子どもたちは短冊を見ながら、ワークシート(わたしの国語カレンダー)に内容を書き込み、1年間の見通しを持つ。 同時に、単元への興味関心度や期待度を「おもしろわくわく度」とし、学習に寄せる期待を印で表していく。

 また「わたしの国語カレンダー」には自己評価をする枠も設け、単元終了ごとに、学習を振り返る機会を持つ。1年間でどんな力がついてくるのかなど、カレンダーの使い方を聞きながら、国語科学習に対する自分自身の目標を確かなものにしていく。
 「わたしの国語カレンダー」を学習の見通しと意欲を持続させるきっかけとしたい。
(大津市立仰木の里東小)