ようこそ「安曇川博物館」へ
伊 庭 郁 夫

 2月9日(土)に「総合的な学習の時間」の感動体験発表会が開かれた。今年は、安曇小学校全体を「安曇川博物館」にみたて、保護者や地域の方々に開放した。

 1年間、国語科の中では、基礎的な言葉の力を身につけさようとしてきた。
○発声練習やスピーチ練習
○インタビューなどの情報収集力
○感想文、意見文などの作文力
○ディベートによる討論する力
○事典や辞典の使い方
 その力を支えに、総合的な学習の場で、実際に生かすわけである。

 「課題を作る」段階では、次のようなものを子ども達が考えた。
○安曇川と他の川の汚れの違い
○粉石けんと合成洗剤の比較
○川の上流と下流の石の対比
○安曇川や琵琶湖に住む魚
○水のきれいなところに住む蛍

 「表現方法を工夫する」段階では、様々なアイデアが出てきた。また、6年生は、出口を「意見発表」とした。ただ、調べたことを発表するでけでなく、来られた方に自分達の考えを伝えるわけである。
○実際に粉石けんを参加者と作ったり、作り方のプリントを配る。
○粉石けんと合成洗剤の汚れの落ち方を参加者に実験してもらう。
○液晶プロジェクターを使って、源流の様子を紹介する。
○紙芝居を使って、ブラックバスなど外来魚の被害を訴える。
○米のとぎ汁やマヨネーズなどから、魚が住める水にするためにはどれくらいの量がいるかを具体的に牛乳パックで示す。
○クイズやパズルを取り入れ、楽しみながら、考えを伝える。

 なお、「安曇川博物館」での特徴的なことは次の点である。
○案内役は、「学芸員」の名札をつけ、見学者と区別する。
○パネルを用意し、一つの教室を区分けする。
○「博物館」を開館する前に、全校の前でオリエンテーションを行い、宣伝を行う。
○「読む」のではなく、「覚えて話す」ことを基本にする。

 伝えあう力を意識した取り組みである。参観者のアンケートには、次のような反響があった。
●子ども達が目を輝かせて発表している姿が素晴らしい。
●色々な工夫がされていて、この発表に至るまでの子ども達の努力や研究の成果がよくわかり、非常に素晴らしかった。
●どうやってわかってもらおうかと一生懸命なところがよかった。
●一教室の数カ所で発表していたので、一つの発表がよく聞こえないことがあった。

 次年度の改善点も見えてきた。
 子ども達の感想には、「満足」「自信」といった言葉がよく見られた。
(安曇川町立安曇小)