「新しい国語実践」の研究会に参加して
西 村 嘉 人

 平成13年12月26日、27日の2日間、「新しい国語実践」の研究会大阪大会がアウィーナ大阪で開催された。大会の研究主題は「『生活に生きる表現力を高める』国語科の学習指導−基礎・基本の定着と活用」である。

 1日目は分科会。わたしは「話す・聞く」部会に参加した。
 小学校低学年の実践提案では1年生の子どもの話す聞く学習活動を多く聞くことができた。相手意識を高める、話したい聞きたいという気持ちを高めることをねらって積み上げてこられた実践の中で、一対一の話す活動場面を大事にされている教室経営が印象に残った。「おしえてあげる、とっておきのひみつ」という単元のネーミングを見ても、教師が子どもの話したい聞きたい意欲を耕していこうとする姿勢が見られた。
 中学校の実践提案では、「適切に伝え合う力を身につける学び方学習」を提案の主題に実践提案が行われた。提案では、指導すべき事項を明確にし、単元を通して自己評価項目を提示しているところに魅力を感じた。

 指導助言の吉永先生からは次の指摘があった。
○「話すこと聞くこと」の指導の歴史が浅いので子どもたちに基礎がないことを教師が意識をする。
○評価は子どもをよくするためのものであるので、多面的に子どもの学習をみること。「見る」「観る」「視る」「診る」「看る」と幾つものみる眼を教師がもつことが必要であること。
○自己評価の観点はその学級の「話すこと・聞くこと」の文化であること。
 3時間半の長時間におよぶ分科会であったが、あっという間に過ぎたおもしろい分科会であった。

 2日目はシンポジウムと提言。シンポジウムは時間の関係もあるが、もう少し詳しく話が聞きたかったというのが正直なところである。
 提言では、文部科学省の井上一郎先生と河野庸介先生からのお話を聞くことができた。「生活に生きる」ということを考えるとき、その「生活」をどのように教師が捉えているかが重要であることを改めて考えさせられた。一単元の授業をどう組み立てていくかを考えることに終始してしまうわたしにとっては、これから始める年間指導計画作成作業の大きなヒントとなった。

 3年ぶりに参加した「新しい国語実践」の研究会。この4月からの新しい国語実践の方向性を考えることができた実り多い2日間であった。
(彦根市立城南小)