読 み 比 べ て 分 か る こ と
北 島 雅 晴

 「2年生の子が、2つ(以上)のお話を読み比べると、どんな学習ができるだろうか?」
というちょっとした期待から、今回の学習がスタートした。単元名は、「むかし話を読もう」。比べ読みといっても、細かい作品分析をするのではない。2つのお話を読み比べて、似ているところや違うところをみつけるという学習である。
 比べ読みを行った意図は2つある。1つは、昔話のよさをより感じてほしいと思ったからである。昔話には、言葉遣い、話の展開、登場人物の心情や性格等、よく似た部分が多くある。比べることでより昔話らしさをつかむことができるであろう。もう1つは、今までにない新しい学習方法に挑戦させたいと思ったからである。

《第一次》
 ・昔話の本を自由に読む。
 ・読んだ本の題名と一言感想を書く。
  (図書室にある昔話の本を80冊程度選んでおく)
《第二次》
 ・教科書の「かさこじぞう」を読み、今まで読んだ昔話と比べて読む。
 ・自分の考えをまとめる。
《第三次》
 ・比べ読みの発表をする。

 以下、子どもの作品をいくつか抜粋する。
わたしは、「かさこじぞう」と「はなさかじいさん」を比べて読みました。じぞうさまにやさしくするのと犬にやさしくするのがにていました。二つとも、さいごはしあわせになるのがよかったです。

 わたしは、「かさこじぞう」と「したきりすずめ」をくらべて読みました。やさしいおじいさんが出てくるのがにていましたでも、かさこじぞうのおばあさんは、よいお正月をむかえたけど、したきりすずめのおばあさんは、わるいことをしたからしんじゃったのが大きなちがいでした。
子どもたちは、登場人物やお話の展開に目を向け、(感覚的なものではあるが)昔話らしさをつかむことができた。上記以外では、
 ○はじめはびんぼうだったけど、よいことをしてしあわせになる。
 ○よい人とわるい人がはっきりとしている。
 ○「むかしむかし」「〜とさ」みたいによくにたことばをつかっている。
といったことにも気づく子があり、最後の発表も充実したものとなった。2学期の最後の学習をいい形 で締めくくることができた。
(草津市立草津第二小)