<全小国研公開授業>
わかりやすい報告文とは 〜総合的な学習と国語科
伏 木 清 史

 総合的な学習では、その最終段階で、「報告文を書く」あるいはそれをもとにして「報告する」といった活動が多く見られる。
 しかしながら、その文章や話の何とわかりにくいことか。体験をまとめた報告はまだしも、数値などが盛り込まれた調査結果の報告となるとぐっと難易度を増す。
 その嘆きを発端として、今回、国語科の授業を組み立ててみた。

目標
 資料(情報)の特徴や傾向を読み取り、事実と推測、意見などを区別しながらわかりやすく簡潔に書きまとめること。

授業の実際】 全6時間
1 サンプルとなる調査結果について意見を交換し、自分たちの調べる(アンケート)テーマや調査内容を決定する。
 勤務校の子どもたちの「好きなおやつ」のアンケート結果を表にまとめ、附属小学校6年ろ組におもむいた。
 最初こそ目に見える事実だけを指摘していた子どもたちだが、やがて「ジュースやアイスなどの冷たいおやつ」とまとめたり、「○○なのは△△だからだろう」と推測したりする意見が出始めた。
2 テーマごとで小グループを組み、アンケート項目を検討する。
3 附属小でアンケートを実施する。(課外活動)
4 アンケート結果を集計し、表やグラフ(資料)に表す。
5 資料から特徴や傾向を読み取る。
6 事実や事実をもとにした推測や意見を組み立てて、わかりやすい報告文を書く。(本時)

本時の学習の様子
 前半は、第1時に示した表をもとにしたサンプルの報告文からその工夫を見つける学習。
 子どもたちは、文章と表とを見比べながら、「事実」「推測」「意見」を的確に区別していく。その根拠を文末に求めているのか、プリントにアンダーラインを引いていく子が多い。
 いくつかの事実を述べた後で推測、あるいは意見が述べられている構成であることも発見できた。
 また、事実を裏付ける数値の書き方も、○○人、△△%などと変化をつけると飽きないことや、読者を引き付けるような、よびかけ的な文章も織り交ぜたほうが効果的であることも学んでくれた。
 後半は、自分たちが作った資料を文章に書き表す学習。前半に発見した工夫のいくつかを的確に用いながら、どの子も黙々と書いていった。

 附属小学校の総合的な学習は内容が多彩だと聞いている。今後、まとめる段階で今回の学習の成果が表われることを期待しつつ6年ろ組の教室を後にした。
(湖北町立朝日小)