<全小国研公開授業> 自 分 の 読 み の 視 点 を も つ
廣 瀬 久 忠
2つの説明文を速読すること15分。一気に読むと「はぁ。」とため息が起こる。15分間息をいっぱいに吸い込んで読み続けるとかなりしんどい。 全小国研滋賀大会では、「読むこと」「考える」の授業を5年生と共に、説明文2教材を使って公開した。 「森のめぐみと私たちのくらしを見つめよう」が子どもへの投げかけである。 使った教材は「森林のおくりもの」(東書5年下)と「森を育てる炭作り」(教出5年下)である。どちらも森林のめぐみを考え、我々人間がどのように考え、どう行動を起こしていけばよいかを考えるのにふさわしい教材である。しかも、2つを比べて読むことにより自分の考えを生み出すことができる。 授業のはじまりは、必ず2説明文を読むことから入る。速読にしたのは、どれだけ速く読んでも15分はかかり、30分で自分の読み深めをするためである。少し乱暴だが、速く読めることは、ゆっくりも読めると考えている。 さて、子どもたちは自分の考えを座談会で伝え合うために各々の「読みの視点」をもった。 「森林のめぐみを比べて読む」「森林のありがたさを比べて読む」「森林の働きを比べて読む」「森林の働きと森林への働きかけを比べて読む」「森林の利用を比べて読む」「森林の役目を比べて読む」「森林と生活の結びつきを比べて読む」「筆者の考え方を比べて読む」「木を切ることを筆者はどう考えているのかを比べて読む」等々、それぞれの「読みの視点」をもとに自分の読みを学習プリントにまとめていった。 自分の「読みの視点」で比べて読むと2つの説明文の相違点が見えてくる。「森林のめぐみ」について読んでいても、「筆者の考え方」を読んでいても、その書きぶりの違いから、自ずとそれぞれの説明文の要旨を読むことに集約されていった。 「森林のめぐみ」を比べて読んでいた子どもが見つけた。 「どちらの説明文も森林のめぐみを紹介しているけれど、そのめぐみを受けるのも人間だし、めぐみが受けられるようにさまざまな苦労を重ねているのもやはり人間なのだ。」 「筆者の考え方」を比べて読んでいた子どもは、 「森を大切にすることは、私たちの生活を豊かにすることにつながる。ずっと先のことを考えて森を守らなければ豊かな未来は生まれない。今の私のくらしと森は大きなつながりをもっている。」 と、自分の考えを締めくくった。 (石部町立石部南小)
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