「言葉のスナップ写真」をとろう
中 嶋 芳 弘
6年生の「自然ふれあい教室」についていった。2日目の朝、先生からの話をすることになった。第1日目は道路が冠水するほどの土砂降りの中を宿舎に入った。今朝の空は、一転上空に雲一つ無い上天気である。以前担任していた子が、こんな日に私といっしょに屋外に出たとき思わず声に出した言葉がよみがえってきた。 「まっぱれや!」 あれは言葉のスナップ写真みたいだったな。もしこの3日間のふれあい教室の中の最上の一こまを写し、そこに自分だけの短い言葉を付けるとしたら、この子らはどんな言葉を口に出すのだろう。これは作文の「選題・選材」の学習のスキルにもつながるかなと思いながら子ども達に話をした。そして、 「先生がカメラマンだとしたら、写したくなるみんなの姿は、次の活動のために聞き逃すまいとしっかりと目を向けて聞いている姿。額に汗をかきながら活動している姿……」 とそんな話をして私の務めをおえた。 さて、帰りのバスの中での「言葉のスナップ写真」発表から、 省略して短縮してつないで、 ○この三日間思い出に残るような楽しいことがいっぱいあったから、 「思楽(おもたの)」 ○三日間自然とふれあっていい思い出がいろいろあって、 「いろ思」 さらに焦点を絞り込んで、 ○星の観測できれいな星が見られて感動したから、 「きれ星」 ○滋賀県では見られないくらいぴかぴか光って星がとてもきれいだった。 「ぴかきれい」 ○磯遊びで砂の造形が楽しかった。 「砂楽(すなたの)」 ○つりをしたけどつれない。詐欺やと思った。 「つりさぎ」 ○遊覧船に乗って、気持ちのよい風を頬に受けて、 「さわ風」 ○螺鈿細工楽しかった。思い出に残る。 「らで思」 ○二人で砂造形に取り組んで友達になった。 「砂友」 場面を絞り込んで、頭に浮かんできた言葉、 ○磯遊びでのどはからから、おなかはぺこぺこ。そんな日の夕食のメニューがバーベキュー。うれしくなった。 「地獄に仏」 ○飯ごう炊さん。黒こげになったご飯を見て、 「地獄ご飯」 ○きれいで思い出に残りそうな星の観測。口から出そうになった言葉。 「星が降ってる」 ○熱が出て見に行けなかった星の観測。残念やなと思って寝た夜。トイレに起きたとき一人で窓から見た満天の星空。 「いっぱいやな」 ○夢中になっておしりがぬれた。 磯遊び。 「磯ブリーフ」 (彦根市立旭森小)
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