▼生きた場で言葉の力が育っているかどうか、子どもの発言で知ることができる。その1・近くの川を舞台に学習を進めていた子。専門の先生に来てもらって分からないことを聞くという時間。「魚は何種類いますか。」 「名前は何というのですか。」というような質問に混じって、「本には、ミミズがいると水がよ汚れていると書いてあったのだけど、本当ですか。」と尋ねる子がいた。本で調べたことは正しいと思いこむことの傾向が強い中にあって、この発言は光っていた。

▼「石うすの歌」を読んでいた子どもたち。感想の発表の時間になった。「おばあさんが元気をなくしたところが心に残った。」と言った子に、「元気をなくしたと書いてないけど、どこからそう思ったか教えて下さい。」と聞く子がいた。「どうしてそんな事聞くの。」と問い返す子。「元気をなくしたとぼくも書きたかったけど、自信がなかったので聞いたの。」 二言三言の言葉の交わし合いだったが心に残る言葉であった。

▼「どんな勉強がしたいのか教えて下さい。」ということから始めた。いきなりなのに挙手をして答える子。「面白くて楽しい勉強がいい。」 その発言を受けて、どんな勉強が面白くて楽しいのかを話し合わせた。音読が楽しいと言う子もいれば、何となくという子もいる。国語の勉強で「面白くて楽しい」って何だろうと、それが知りたいし。考え中である。(吉永幸司)