合 同 研 究 会 に 参 加 し て
三 上 昌 男

 8月23日・24日、高槻市の摂津峡の宿「山水館」を会場に、第29回国語研究集団合同研究会が開催された。
 今回の研究主題は、「子どもが生きる授業の改善」である。主語が「子ども」であることを気にしながら、各研究集団の研究発表に耳を傾けていた。

 竹の会の小原先生の発表は、「感じたことをもとに自分らしく表現しよう」を追究課題に取り組まれた実践である。教材「やまなし」に子どもたちが素直に向き合い、「自分らしさ」を発揮するための展開の工夫が感じられた。中でも、感じたことを交流する場を大切にされていた。授業の記録からは、子どもたちが、友達の感じ方に関わって話し合う姿が読みとれた。

 泉の会の青木先生は、遠足を題材に、楽しかったことを思い出して書くことの学習の実際を紹介された。遠足の写真を手がかりに、書きたいことをはっきりさせ、メモを作ったり作文を書いたりする展開に支援の工夫が感じられた。

 さざなみ国語教室からは、川那部先生が、「生き物ふしぎ発見ずかんを作ろう」の実践を発表された。課題意識の高揚・領域の総合と具体的な場の工夫・評価の自覚の三点を考慮した単元構成を工夫されていた。子どもが学習の見通しを持ち、自己評価をしながら学習に取り組むためには、子ども自身が評価できる目標の設定が大事であることを学んだ。

 和歌山大学教育学部附属小学校の武西先生の講演は、谷川俊太郎の「こわれたすいどう」の詩を学習材に子どもの力や可能性を引き出すことを、多くの学級での実践をふまえてお話しされた。詩の授業の魅力と可能性をを改めて感じることができた。子どもの実態や可能性を好意的に吟味していこうとする姿勢に学びたい。

 土の会の柳生先生は、「子どもの側に立つ文学教材の授業づくり」をテーマに発表された。「一つの花」の学習の目的に「わが子への手紙」を位置づけ、子どもが一人学習や相互交流に主体的に取り組む学びを追究された。対話能力の育成を大事にされた実践であった。

 東風の会の奥村先生は、「楽しんで自分を表現しよう」をテーマに、入門期の国語学習の実際を紹介された。楽しんで自己表現する力を培うために、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の基礎・基本を大事に国語教室づくりをされていることが印象的であった。

 自分の授業実践を振り返ってまとめることで、指導力は高まる。二日間の研究会をまとめる岡田先生の言葉である。
(近江八幡市立金田小)