「生き物ふしぎ発見ずかん」をつくろう
川 那 部 隆 徳

「チョウがかえった」「青虫から蜂の繭が出てきた」等、1学期の教室には驚きと感動の声が連日のようにこだまする。金魚、ザリガニ、モンシロチョウの幼虫、カマキリの幼虫、カタツムリ、アゲハの幼虫、ナガサキアゲハ(日本最大のアゲハ)の幼虫、ウスタビガの繭等、様々な生き物の飼育を通して、子どもたちは生き物の成長の神秘と不思議を体感していた。
 また、3年生国語科の各社の教科書(上)では、生き物の生態に関する説明文を取り上げている。
 そこで、本単元では、「生き物ふしぎ発見ずかん」を作成する過程で、様々な生き物の読み物を、大事なことを落とさずに読み取り、さらに子どもたちの生活経験を生かしながら、興味ある生き物の「ふしぎ」を図鑑にまとめていくことを主な学習活動として位置づけた。

【指導計画】 (全11時間)
第1次 単元の見通しをもつ。
 ・学習の流れを知る。
第2次 学習のポイントを知る。
 ・『ヤドカリのすみかえ』の題名から内容を想像する。
 ・本文を読んでまとまりごとに発見したことについて話し合う。
 ・「生き物ふしぎ発見ずかん」に整理する。
第3次 様々な説明文を読む。
 ・いろいろな生き物に関する説明文の題名について話し合う。
 ・3つの説明文(『ありの行列』光村、『自然のかくし絵』東書、『めだか』教出)から一つ選択し、発見したことを整理する。
第4次 交流
 ・各々の説明文を読んで発見したことを交流し、図鑑にまとめる。
第5次 単元のまとめ
 ・モンシロチョウ、カタツムリ、ザリガニなどの生き物の生態を調べ、図鑑にまとめる。

【第3次の授業後の児童感想】

○三つのせつ明文からえらんでずかんにするというのは、とてもよいやり方だと思いました。自分の好きなお話をえらんで勉強できるからです。国語が好きになってきました。
○めだかは小さい魚なので、体の仕組みや身の守り方を知りたかったからめだかについて調べることにしました。
○『自然のかくし絵』にしたわけは、どんな虫がどのようにして身をかくしながら身を守っているか調べてみたいからです。


 単に、特定の生き物が好きだからといった生き物そのものの魅力だけでなく、説明文を読み比べ、その内容をもとに図鑑にする説明文を選択する児童が目立ったことがうれしい。
(滋賀大学教育学部附属小)