本棚  天気予報はこんなに面白い! 天気キャスターの晴れ雨人生
平井信行 著 BK1
角川oneテーマ21 2000.5 571円
天気予報はこんなに面白い!

 天気によって業績が左右されるという職種ではないが、学校教育にとっても、天気はけっこう重要なファクターである。特に運動会や校外学習は、実施できるかどうか天気次第なので、天気予報に頼ることが多い。日常の授業でも、明日、運動場で体育ができるかどうか、理科の野外観察ができるかどうか、はっきりしなければ、別案を用意しておかなければならない。そんなせいかどうか、天気予報を見るのは好きである。

 著者はNHK天気キャスター。本書には、著者の個人的なこと、天気予報の裏話なども描かれているが、知っていると天気予報を見るときに役立つ情報も多い。
 例えば、天気予報の精度は85%、ただし雨の多い6月は65%に下がるという。スーパーコンピューターの能力の向上やウィンドプロファイラという上空の風を観測するレーダーの運用によって精度は上がっている。一方、ロシアの経済状況によって、日本の天気予報の精度が変わるというのもおもしろい。

 「ところにより雨」はテレビ画面に表示されないが、実際には限られた地域で激しい雨が降ることがあるので注意が必要だという。また、気象用語の解説などもわかりやすく書かれている。(常諾真教)