説 明 文 を 速 く 読 も う
西 村 嘉 人

 もう何年も前から、説明文の学習になると実践していることなのだが、今年は4月から「声に出して文章を読むこと」にかなりのウェートを置いているので、子どもたちの音読に取り組む姿が新鮮に映る。

 5年生の教材「大陸は動く」。細かに教材研究をすると、指導したい内容はたくさん見つかるのだがこの教材も「音読」にかなりの時間を割くことにした。

第1時  範読をせずにいきなり句点交替音読を進める。当然のことながら全く読めないので、学習時間の残り30分を「読めるようになるための準備時間」として個別学習を進めさせる。 「読めるようになるための準備」を私のクラスでは、
 ・漢字が読めるようになること
 ・文字を言葉として認識できるようにすること 
 ・言葉の意味を調べること
の3点に絞っている。何度か経験するうちに少しずつ要領がよくなってきて、短い時間で準備ができるようになってきている。

第2時  句点交替音読を1回。一斉音読を2回。時間の終わりに印象に残っている言葉や書かれている内容をノートにメモする活動を入れた。

第3時  句点交替音読1回。その後、一斉音読を2回。一斉音読では、1回目と2回目の速度を変えて取り組ませた。速度の調整は教師が大きな声で音読して整えた。子どもたちには速度を速めた音読の方が魅力的だったようである。時間の終わりは前時と同様にメモさせた。

第4時  子どもたちは先に、「先生、速い音読しよう」と言い出した。音読を2回繰り返すが、やはり同じように速度を変えて行った。
「もっと速く音読しよう」の声に、三度目も一斉音読でかなり速い速度で読み切った。殆どの子どもがついてこられるようになっている。
 そろそろ説明されている内容が把握できているころなので、
「この説明文で大事なことはどんなこと?」
と尋ねてみた。子どもたちがあげた言葉は、「大陸移動説」「アルフレッド=ウェゲナー」「忘れ去られた」「再びよみがえった」「科学の進歩によって証明された」の5つである。

第5時・第6時  「大陸は動く」から読みとったことを前時のキーワードを入れながら新聞にまとめる活動を取り入れたのだが、子どもたちからのリクエストで「速読」は毎時間やることになった。やはり、読めるようになることは楽しいことなのである。
(彦根市立城南小)