漢 字 を 身 近 に 感 じ る た め に
北 島 雅 晴

 2年生で学習する漢字は160字、1年生の倍になる。しかも画数が増えて、しだいに複雑な漢字 も多くなる。漢字を書くことに抵抗を示し覚えようとしない子、漢字の練習はするのだが覚えられな い子が出てくる。
 子どもの意識の中では、漢字を覚えることが、国語の学習の中で比較的大きな位置を占めているよ うにも感じる。
「漢字が難しくて、覚えられないので国語がきらいだ」 と発言する子も意外と多い。くり返し漢字練習をする(練習の時間を確保する)ことを大切にしなが らも、気軽に漢字にふれる機会がもてるようにしたい。以下、漢字学習についての2つの事例を取り 上げる。

(1)漢字の詩
  読教室春冬来言
  黒声黄話色記計
  友丸買角茶楽作
      (以下省略)
 1学期に学習する漢字82字を順番に並べただけものである。
読み仮名のついたものと、ついていないものと2種類を子どもに渡している。国語の学習のはじめに みんなで音読をする。
「どく、きょう、しつ、はる、ふゆ、く、い。こく、こえ、き、はなし、いろ、き、けい。」
 口の形と正しく発音することに注意をさせるが、漢字を覚えることは問わない。何度も続けている と、用紙を見ないでも言えるようになる。しだいに見なくても書くことができる子もでてくる。何か お経のようで子どもには人気がある音読練習となっている。

(2)漢字を使って日記を書こう
 日記のどこかに、指定された漢字を使うという条件で書く。例えば「作る」という漢字を使うと。
「きょう、かかりかつどうで、じぶんたちで作ったスポーツをしました。作りかたは、…」 (以下作り方が説明されている)
 いつもは、友達と遊んだことばかりを書いている子も、自分で何かを作った経験を思い出して書く ため、いつもと違った日記を書くことができる。「作る」の場合は、作り方を順序よく説明している日 記が多く生まれた。「紙」「黒」「丸い」「買う」等、時折、漢字を使った日記を書いている。

 漢字の力(読む・書く・使う力)が高まったとは、まだはっきり言えない状態だが、気軽に漢字と ふれる機会を意図的に作ることが漢字学習には大切だと感じるようになった。休み時間に、「どくき ょうしつはる」と漢字の詩を口づさんでいる子もいる。
(草津市立草津第二小)