「心が動く」って? (4年)
吉 永 幸 司
1.「心が動く」を考える 「心が動く」ということについて子どもたちに考えさせた。 C うれしいと思うこと C びっくりすること C おやっと思うこと という答えが返ってきた。 「心は、皆、同じかな」とも問い返した。 C 一人一人、違う。 C 人によって違う。 詩を作ることを目的にした教材に出てくる「心を動かそう」という言葉の意味を、このような形でときほぐしていった。 「感動する」「美しい」「おもしろい」というように使い慣れた言葉で満足させるのではなく、「わたしの言葉」を大切にさせる働きかけが必要であると思ったことから始めた導入である。 2.心の動きを言葉にする 「わたしだけの驚きを言葉にするように」 という指示をして、20分間、運動場や学級園で自由に遊ばせた。コスモスの花が咲き乱れていた。 ぼんやりしている子には、近くで見るとか遠くで見るとか距離を意識させた。 見方が概念的な子には、蟻や小石になって見るようにと、視点を変えさせた。 捉え方が確かになってきた子には、事柄と考えを区別させた。 20分という時間、子どもと関わりながら、具体的に、子どもの感じ方を高めるように指導した。 自然なつぶやきの中に、その子なりの言葉があることに気づかせることが大切であると感じたときであった。 3.自分の言葉を楽しませる 「思いついたことを、その時々にメモをする」 このように働きかけ、思ったことをメモに残させた。 教室へ帰り、メモの中で、自分の言葉と思えるものを連ねさせた。そして、結果として、詩らしきものができあがった。 きせつはずれのタンポポこの子のメモには、 「なかまはずれにしないで」 「タンポポはつよいな」 と書かれていたが、メモにとどめられ詩には表現しなかった。言葉を惜しんでいるところに育ちを感じた。 オレンジ、ピンク、白多くのメモから選んだ言葉だけに眩しい。 |