朝 の 読 み 聞 か せ の 実 践
森  邦 博

 本校では、昨年度から毎水曜日の朝は職員室での朝の打ち合わせをしないことにした。水曜日は担任は教室で子どもを迎える。
 各学年それぞれが工夫を凝らし、学年集会や楽しむ会をしたり、交流活動の体験の場と位置づけたり して運営しているほか、集団読書の時間・合唱をして楽しむなど、いろいろな工夫が見られる。
 この時間はおよそ15分間。この時間に私は「読み聞かせ」をさせていただくことにした。
 活字離れ、本を読まない子の増加が憂えられている昨今、本校でも図書室にいく子の固定化の傾向がなきにしもあらずの現状である。
 本の楽しさにふれて、「本て結構おもしろい」 「読んでみようかな」と本を身近に感じたり、本を手にする子が増えるといいなと願って始めたところである。

 実践内容はシンプルである。
 例えば、1年生での読み聞かせでは、テーマを「一」とした。
(1)「いち」「ひとつ」「一等」「一寸」などと連想して本を数冊選び、おおよその内容や興味を引きそうなおもしろいトピックを紹介する。紹介した本は、教室の黒板に並べていく。
(2)その中からリクエストをさせて、1冊読み聞かせをする。
と、これだけの小さな実践である。
 読み聞かせをした本は、「ぼくもほしい!? いっとうしょう」(黒沢高明作絵 評論社刊)
<・・・馬と犬とカワウソがかけっこをした。1等は馬、犬は2着、3着はカワウソ。次に泳ぎ比べ。1位はカワウソ、2位は犬、3位は馬。犬は両方2着だったことを喜んだが、馬とカワウソから1着になれなかったと笑われた。犬は困って人間に相談し、そのアドバイスで、かけっこと泳ぎを続けて競争しようと提案。馬、カワウソはどちらも負けるのにと笑ったがやってみることになった。かけっこは犬は2着、続けての泳ぎでとうとう1着に。犬は大喜びで人間の所に帰っていって話したところ、人間はにこにこ笑って犬の頭をなでてくれた。そのときから犬は人間を好きになったというお話。>
2年生でのテーマは「仲良し」。読んだ本は「たにむらくん」(岡本けん作 リブロポート刊)
<・・・橘さんのことを好きな男の子がプロポーズするが「私、理想が高いのよ」といろいろな要求を聞かされ、そのあげく「転校するの」と去っていってしまう。それでも「結婚するんや」という最後の頁がさわやか?>
次の日、職員室に2年生の女の子が、「昨日の本どこにあるの?」とやってきた。2人とも橘さんのようにかわいい子。
(大津市立仰木の里東小)