本棚  児童作文の活用で生き生き「道徳の時間」を創る
吉永幸司 編著 BK1
明治図書<新しい道徳づくりへの提唱19> 2001.4 1700円
児童作文の活用で生き生き「道徳の時間」を創る

 本書は、道徳の授業を、豊かな心が育ち子どもの心に残る授業に変えていくための一つの提案である。
 児童作文には子どもたちの本音が表れることが多い。それを、自分だけのものにしておかないで、個人で考える、集団で話し合うという過程を積み上げているうちに、子ども自身が強く生きる力を身に付けたり、新しい生き方を発見するということがある。「道徳の時間」のある部分、児童作文を活用すれば、子どもたちの心を揺さぶり、動かす授業ができるということに確信をもつようになった……と、まえがきに述べられている。

 第1章 児童作文の活用で生き生き「道徳の時間」を創る
 第2章 道徳の資料として児童作文を活用する
 第3章 児童作文を活用して育てる生きる力・場や機会
 第4章 書くことで育った子どもと教師のかかわり
 第5章 児童作文を活用した生き生き「道徳の時間」指導事例

 第5章の事例だけでなく、どの章でも、活用した作文、授業の様子、子どもの姿が具体的に記されている。読んでいると授業がしたくなってくる本である。(常諾真教)