気 持 ち の よ い 声 で
北 島 雅 晴

 はじめての国語の時間に、1年生での国語の学習について感想を聞いてみた。(現在、2年生)
C 音読カードを何度も宿題でするのが大変だった。
C 漢字がなかなか覚えられなくていやになった。
C 何を書いたらいいのか分からないことがあった。
また、好意的な方の意見では、
C 楽しいお話がいっぱいあった。
C 作文で、本を作るのがおもしろかった。
C お話を自分で作るのが楽しかった。
といったものが出てきた。
 これらをまとめると、
 ・意味のない(めあてのない)音読のくり返しはやめよう。
 ・漢字は画数も増えるので、時間をかけて指導する。
 ・「このお話を読んでよかった」という思いが残るようにする。
 ・どう書いたらいいのか分からない時は、具体的に文章を提示する。
といったことに留意することが大切となる。

 第1単元は、「まど」(東京書籍2年上)である。子どもの音読の声が弱いということも気になっ たので、運動場で音読することを子どもたちに提案した。音読は、2人1組で、1文ずつ交代して読 む。次のようなやり方で音読を進める。
 (1) 「お願いします」と2人で学習の始まりのあいさつをする。
 (2) 背中合わせになって、お互いに反対方向に10歩ずつ歩く。
 (3) 合計20歩の距離で音読の練習をする。
 (4) 一度読み終わったら、今度は30歩でやってみる。
 相手の声が聞こえなければ、次の文を音読することができない。しだいに相手に音読を伝えようと する姿が見られるようになる。からだ全体で声を出す子、息を大きく吸ってから読み始める子、口を はっきりと開ける子等、明らかに読み声が変わってきた。
 教室にもどってから感想を聞いてみる。
C いつもこんな声を出していないので疲れた。
C 相手に聞こえたのでうれしかった。
C 運動場でうんと大きな声を出したので気持ちがよかった。

 この後お話の一番好きなところを音読発表するという活動で締めくくったが、運動場での練習をき っかけに声の大きさが変わった子も多い。気持ちよく声を出す場を作ることが、学習の場の基本であ る。はっきりと友達に伝えたいという思いが高まるようにしたい。
(草津市立草津第二小)