○ ○ の 本 が 完 成
北 島 雅 晴

 1年生の1学期は、教師や親に話したことを書き留めることから作文の学習を始めた。2学期の後半になる頃には、自由に文章を書くところまで成長をする。1年生の書くことの伸びは、日々実感することができる。
 3学期。何かまとまった作品を書き、この一年での伸びを子どもが実感できるようにしたいと考えた。その一つが、○○の本づくりである。

 まず、どんな本を作るかを説明する。
T 始めに、本の題名を決めます。それで5つのお話を考えます。例えば、お母さんの仕事の本だったら、どんなお話ができるかな。
C お母さんが洗濯をする。
C 掃除をするお母さん。
 自分だけの本を作るという働きかけにやる気を示した。

 次に、どんな本を作るかを発表した。
C 私のいたずらの本を作ります。
T いたずらが、5つは考えられそうかな。
C 勉強の本を作ります。
T 勉強だけでは、大きすぎるからなんの勉強か考えてみよう。
といったように、一人ひとりがどんな本を作るかを発表した。
 ・わたしのまじめな本
 ・Aさんのやさしい本
 ・ともだちをつくる本
 ・おねえちゃんのこわい本
 ・わたしのどじな本
等、一人ひとり違う題名の本ができることとなった。

 第1章から第5章まで、それぞれ挿絵をかいて、160字程度の文章を書く学習が始まった。
「今日は、もう書くことが決まっているよ。」
やることがはっきりとしているためか、授業が始まるとすぐに本づくりを始める子が増えてきた。
 ただ、4章や5章になると、書くことがなくなってくる子が出てくる。
C もう書くことがなくなったけど、どうしたらいいですか。
T ピアノのことでも、まだ、始めたときのことやピアノの先生のことは書いていないでしょう。どちらかで書けないかな。
等、ヒントを与えることもあるが、もう書くことがなくなったときに考えるのが、大切な学習となる。

 一つの話題について、いろいろな視点からとらえて書くことをねらった作文の学習である。1年生 の最後にこれだけ書けるようになったということを実感させることもできた。
T この本を一番読んでほしい人に見せようね。
と言って持ち帰らせた。
(草津市立草津第二小)