情報を読む(6年)・ポスター研究
吉 永 幸 司

 相手意識・目的意識を育てることを目的にした授業の試みとしてポスターを活用した。
 学習形態は、学習の仕方やヒントを示した「学習の手引き」を活用した一人学習。
 学習材料は、関係機関から送付されたポスター。一人に一点。
 「学習の手引き」には次のような内容を示した。
  ・このポスターの目的は何か。
  ・このポスターで工夫をしているところはどこか。
  ・伝えたい相手はだれか。
  ・ポスターの制作会議を予想しよう。
 指導の時間は2時間。学習の成果を400字以上の作文に書くという指示をした。話し合いや意見の交流はしなかった。
 次の作文はその課題に答えたものである。

 僕は、大津の花と緑のフェステバルのポスターを作る会議を予想しました。
 参加者は司会の他に、ポスターを作る人です。
 司会 大きさは目立つように大きくしたほうがいい。
 ○ 賛成。
 司会 どんな言葉を書きますか。
 ○ 花と緑の町にしましょう。
 ○ 標語を入れた方がいい。
 司会 標語を書きます。色は何色にしますか。
 ○ 目立つ色がいい。
 ○ 緑色がいい。
(これは、出来上がったポスターから、作られてくるまでの様子を予想したもの。一人学習なので、視点が広がらないが、相手・目的を意識した考え方が面白い。企画会議を想定しているので話題に広がりがある。)

 今日は、ポスター研究をしました。私は消防署のポスターでした。大きい紙に、女の人が笑っている写真がありました。
 字も少ないし、写真だけが目立ちました。全体が赤で、消防署らしいと思いました。

(相手や目的は意識していないが、分析的に考えている。)

 私はポスターを使って勉強をするのは初めてです。
 最初は何をしていいか分からなかったけど、作った人のことを考えたらいいのかと思ってポスターを見ました。
 国勢調査のポスターで、大人も子どももたくさんの人の顔が紙いっぱいに書いていました。

(学習して深まっていく様子が作文になっている。)

 一人勉強の多様さを学習成果と捉えている。
(大津市立仰木の里小)