「その本あるあるカード」を作る
岡 嶋 大 輔

 教材「ぼくはねこのバーニーが大すきだった」(東書3年)は、大好きなねこのバーニーが死んだことを通して命の大切さを考えさせることに適した教材である。
 「バーニーは、地面の中で、花をさかせる手伝いをしているんだ」という結びには、永遠の命にも触れ、子どもたちなりの感想が生まれる深さもある。
 学級の子どもたちは、日頃から読書に親しんでいるので「生命」をテーマにした教材であっても、自分なりの感想を持って読んでいけるであろうという気持ちを持っていた。
 しかし、読んでよかったということだけでなく、お互いに感想を交流するなどしながら、一冊の本でも、いろいろな読み方があるということに気付かせたり、もっと多くの本を読みたいという気持ちに高めたりしたいという思いもあった。

「その本あるあるカード」は、読んだ本についで「ふしぎな感じのする本」「わらってしまう本」というように、簡潔な一言で表わしその理由を添えて書くというカードである。このカードを増やしながら「そんな本もあるのか」「自分だったらこう書くよ」などと読書に対する意欲を高めていきたい。
 「その本あるあるカード」が少しずつたまりかけた頃、一度、同じ物語でカードを書いてみようということで「ぼくほねこのバーニーが大すきだった」を使って学習をすすめた。
 すすめ方として次のようにした。
 (1)本文を読み、どんな話だったのかを簡潔な一言で書く。
 (2)そのように表わした理由を友達に伝えられるように書く。

 出てきたた言葉は次のようなものである。
 ・かわいそうな話 (バーニーが死んで、男の子が泣いたから)
 ・感動する話 (バーニーが花や草や木を育てるなんて、すごいと思ったから)
 ・安心する話 (最初、男の子は元気がなかったけど、後から元気になってよかったから)
 それぞれの子どもらしい目のつけどころで読んでいる。
 主人公の始めの強烈な悲しみによりそっている子ども、死について自分も教えられたように感じる 子ども、だんだんと主人公が立ち直ることにちょっぴり安心する子どもなどなど。
 それらを、交流することで読書の深まりが生まれると信じて、次回の授業にのぞんだ。(つづく)
(甲賀町立佐山小)