「 近 江 の 子 ど も 」 で 変 身 作 文
中 嶋 芳 弘

 6年生の作文教室、「さまざまな表現に目を向けて(光村)」の学習。
 今までに書いた作文や学習した文章などを違う形に書き直したりして、様々な表現方法を体験することを通して、書く意欲をもたせようという意図で設定されている。
 つけようとする言語の力は、
 ☆表現(カ)(キ) 目的に応じた内容と文章構成
 ○言語事項(オ) 語感・言葉の使い方
 ○表現カ 目的に応じた内容構成
 ○言語事項キ(ア)(イ) 常体・敬体、敬語

 書いた作文でとなるとここでの学習を元に推敲に取り組ませる方が良さそうだし、学習した文章をとなるとその単元は担任が指導しているので……。そこで、「さざなみ国語教室」の母体・滋賀児童文化協会発行の「近江の子ども」のバックナンバーをめくってみる。ここには1年生から6年生までのいろいろな児童作文が集められている。その中から、1年生すがなみさんの「ドッジボール」に目を付ける。使えそうである。
 例文を読んだり、話し合ったりして、手段・受け手(読み手・聞き手)などによって、表現の仕方は違ってくることに興味を持たせる。
・手段(音声、文字、映像等のメディア……)
・受け手(特定、不特定)、その他具体的に(放送、新聞、映像……)
・表現の仕方(文体や文の調子・言葉……)

 1年生(といっても10年も前だが)の作文「ドッジボール」をいろいろな形に書き変えてみようというわけで「変身作文」の始まりである。
 これまでの詩の学習やここでの学習の中で、子どもたちといろいろな「変身の鍵」を手に入れている。
 ○常体を敬体に 形態を常体に
 ○詩のリズム(体言止め)
 ○書き出しの工夫(「 」や擬音語で)
 ○お手紙(友達に・先生に)
 ○ラジオ放送(実況中継)
 ○テレビ放送(実況中継)
 ○新聞記事のように
 ○ポスター
 ○漢字を教えてあげよう 等

 いろいろな鍵を手にして、時には仲間と助け合い、変身作文に取り組みながら、
「同じことを書いているのに、すごく感じが違うな。」
「テレビは見えているけど、ラジオは見えないんだから服の色や選手の表情まで書かんとわからへんわ。」
 気付きのいっぱいある学習が進んだ。
(彦根市立旭森小)